日通の引越サービスのなかに「単身パックX」というプランがあります。単身パックXとは、どのようなプランなのでしょうか。
通常の単身パックとは違い、単身パックXは鉄道輸送になります。そのため、対象エリアが限定されます。ただ、コンテナのサイズが通常の単身パックより大きいため、ベッドや自転車などもラクラク積めるのがメリットです。
このページでは、単身パックXのサービス概要を徹底的に解説します。ホームページに書かれていない内容についてもまとめてあるので、ぜひ参考にしていただければと思います。
単身パックXとは、鉄道コンテナを使った引越しプラン
まずは、単身パックXの概要について簡単に理解しておきましょう。
単身パックXは大容量
(出典:https://www.nittsu.co.jp)
単身パックXの一番の特徴は、「積める荷物量の多さ」です。単身パックXは2tコンテナを使用するため、一般的な単身パックの3倍ほどの荷物が入ります。
「単身パック」と聞くと、一人暮らしの専用プランのように思えますが、単身パックXは容量が大きいため、二人暮らしの夫婦やカップルでも利用できます。
単身パックXは鉄道コンテナ輸送
通常の単身パックの場合、1台のトラックに複数の専用ボックスを載せて輸送します。
一方、単身パックXの場合は、コンテナを使用した「鉄道輸送」になります。そのため、利用できるのは「150km以上の長距離引越し」に限ります。
単身パックXは、通常の単身パックと比べて「運べる荷物量」と「輸送方法」が大きく異なります。以下では、単身パックXの特徴をさらに詳しく解説していきます。
単身パックXは対象エリアが限定
単身パックXを検討するまえに、まずは利用条件について知っておく必要があります。
前述のとおり、単身パックXは鉄道輸送になります。そのため、利用できるエリアがどうしても限定されてしまいます。
単身パックXの対象エリアは、以下のとおりです。
(出典:https://www.nittsu.co.jp)
荷物の発着地がこのエリアに該当しない場合は、単身パックXを利用することはできません。旧居と新居のエリアが対象になるか、はじめに確認しておきましょう。
単身パックXの荷物量目安
一般的な単身パックの場合、単身者用の冷蔵庫や洗濯機は積めても、ベッドやソファ、自転車などは一緒に運べません。
しかし、単身パックXであれば、ひととおりの生活家電を積んでも、さらにベッドや自転車なども載せられます。
単身パックXのコンテナサイズと荷物量の目安は、以下のとおりです。
【単身パックXのコンテナサイズと荷物量の目安】
■コンテナサイズ |
高さ199m×横幅228cm×奥行き165cm |
■荷物量の目安 |
|
単身パックXの大きさは、単身パックLの3倍に当たります。
たとえば、「東京~大阪」間の引越しを、「単身パックXを利用した場合」と「単身パックLを3台利用した場合」で比較してみましょう。
【東京~大阪間の料金比較】
単身パックX | 59,000円 |
単身パックL(3台) | 25,000円×3=75,000円 |
このように、容量としては同じでも、料金にはかなりの差が生じます。ですから、荷物が多い場合は、ボックスを増やすよりも、単身パックXを検討したほうがお得です。
単身パックXの価格は料金表で決まる
単身パックの料金は、距離に応じて設定されています。あらかじめ、おおよその料金を確認できるため、検討しやすいですし、何より安心できると思います。
単身パックXの料金表は、以下のとおりです。
【単身パックXの料金表】
(出典:https://www.nittsu.co.jp)
エリア間の料金をいくつかピックアップします。
【単身パックXの料金事例】
名古屋~京都 | 51,000円 |
東京~大阪 | 59,000円 |
東京~福岡 | 75,000円 |
北海道~福岡 | 98,500円 |
このように比べると、単身パックXの料金は「長距離になるほど割安になる」というのが理解できるかと思います。ですから、長距離引越しの人ほど、単身パックXを利用するメリットは大きいです。
ただ、対応エリアや荷物量などの利用条件があるため、そのことを理解したうえで検討するようにしてください。
単身パックXは荷造りダンボールが有料
条件さえクリアしていれば、単身パックXを利用することで、長距離引越しがお得になる可能性があります。
しかし、単身パックXの料金について注意しておきたいポイントもあります。
実は、単身パックXの料金には、ダンボールなどの資材費が含まれていません。ですから、ダンボールを購入したときの費用も考える必要があります。
日通では、単身者用の梱包資材をセット販売しています。セット内容と料金は、以下のとおりです。
【日通の資材セット】(単身用)
【価格】2,800円 |
【セット内容】
|
なお、「ダンボールが足りない場合」「ダンボールのみが必要な場合」は、単品で購入することも可能です。ダンボールの単品価格は、以下のとおりです。
【日通のダンボール価格(税抜)】
タイプ | サイズ | 価格 |
ダンボールS | 35×35×35cm | 200円 |
ダンボールM | 35×52×35cm | 250円 |
ダンボールL | 35×70×35cm | 300円 |
荷物量にもよりますが、ダンボールを購入するとなると、費用は3,000~5,000円程度かかります。費用をできるだけ抑えることを考えると、近所のドラッグストアなどで処分用のダンボールもらうのも方法です。
注意!使用済みのダンボールの回収も有料
また、ダンボールの調達だけでなく、処分についても考えておいたほうが良いです。引越し後、荷ほどきが終わっても、「ダンボールが邪魔で片付かない」というのは良くあることです。
一般的な引越しプランであれば、料金にダンボールの回収費用が含まれているケースが多いです。
しかし、単身パックXの場合、ダンボールを引き取ってもらいたいときは、別途1,000円程度の費用がかかります。ですから、費用のことを考えると、自治体の回収日に自分でダンボールを処分するのも考えたほうが良いかもしません。
たかだかダンボールを処分するだけの話ですが、無料で回収してもらえる業者もあるため、意外と大きな差と言えるかもしれません。
単身パックXは電話見積もり
一般的には、引越しの見積もりといえば「訪問」が主流です。そのほうが荷物などの情報を直接確認してもらえるからです。
しかし、単身パックの場合は、「電話見積もり」になります。つまり、口頭で荷物の種類やサイズを伝え、そのうえで料金を提示してもらうことになります。
電話だけで見積もりが済むため、気軽なのはメリットです。ただ、荷物などの情報を正確に伝えなければいけないため、意外と時間がかかって面倒です。
とはいえ、荷物情報などに漏れがあると、当日に追加料金が発生してしまうケースもあります。ですから、単身パックで電話見積もりを取るときは、情報をきちんと伝えられるように準備が必要です。
単身パックXの時間指定について
単身パックXを検討する際、荷物の発着時間についても知っておいたほうが良いです。
単身パックXは「宅配便感覚」の引越しプランですから、荷物が新居に届く時間帯を指定することができます。選べる時間帯は、以下のとおりです。
【選べる配達時間帯】
|
対象エリアの内、※の付いた地域の場合 |
このように、配達時間は細かく指定できます。なお、地域によっては、指定できる時間帯が少し限定されてしまうところもあります。
ちなみに、18~20時の夜間配達は、料金が「2,000円増し」になります。
集荷時間
通常の単身パックS・Lの場合、集荷時間は「午前」か「午後」のどちらかです。
しかし、単身パックXは鉄道ダイアの関係で、集荷時間はそのときの状況によって変わります。ですから、場合によっては、集荷時間を業者の都合に合わせなければいけないこともあります。
反対に、こちらの都合どおりに対応してもらえるケースもあります。いずれにしても、集荷時間については、担当の営業所と相談して決めることになります。
配達日数について
一般的な引越しの場合、距離が遠くなければ、1日のうちに搬出から搬入までの作業が完了します。
しかし、単身パックXですと、当日中の引越しは無理です。鉄道輸送のため、最短でも「翌日の配送」になります。
長距離の引越しともなると、荷物の配送が翌々日以降になることもあります。なお、輸送にかかる日数は、発着エリアを結ぶ鉄道ダイヤによって異なります。
単身パックXの口コミ・評判
ここまで、単身パックのサービス概要について詳しく解説しました。それでは、実際に単身パックXを利用した人は、どのような感想を持っているのでしょうか。
【単身パックXの口コミ】
- 単身パックXは一人暮らし専用のプランのように聞こえますが、同棲相手と2人での引越しでも利用できました。
- 夫婦2人でも引越しでしたが、荷物は少なめでしたし、車でも小物を運んだので、単身パックXでも十分でした。
- 荷物が積み切れるか心配でしたが、スタッフの方が上手に積めてくれて、コンテナにピッタリ収まりました。
- 通常の単身パックでは運べない荷物が積めるので助かりました。
- 料金表で金額がはっきりしているので安心できました。
- 長距離引越しでしたが、思っていたよりも料金が安くて嬉しかったです。
これらの口コミのように、単身パックXを利用して満足している人は比較的多いです。
あと、意外とコメントとして多かったのが、2人暮らしの利用です。「単身パック」と書いてありますが、あくまでも目安は荷物量です。ですから、荷物さえ収まれば、2人の引越しにも単身パックXは使えます。
ただし、前述のとおり、単身パックXには利用条件があります。また、場合によっては、料金が高くなることも考えられるため、その点については注意しましょう。
単身パックXは単身の長距離引越しに最適
〜まとめ〜
ここまでのポイントをまとめます。
単身パックXのサービス概要まとめ
- コンテナの容量が大きいため、ベッドやソファ、自転車もラクラク積める
- 鉄道輸送のため、対象エリアが限定される
- 長距離引越しなら、お得になる可能性がある
- ダンボールは費用に含まれないため、別途購入する必要がある
- ダンボール回収は対応してもらえない
- 電話見積もりのため、情報の伝え漏れには注意
- 配達時間は指定できるが、集荷時間を細かくしてするのは難しい
- 荷物が収まる量であれば、2人暮らしでも利用できる
単身パックを扱っている業者は、ほかにもクロネコヤマトやサカイ引越センターがありますが、単身パックXのようなプランは日通だけです。ですから、条件さえクリアできれば、お得に引っ越せる可能性はあります。
しかしながら、単身パックXを利用できる条件でも、費用がかえって高くなってしまうケースもあります。その場合は、他社のプランも検討し直すべきです。
その際、一括見積もりサービスを利用すれば、各社の料金はサービス内容とまとめて簡単に比較できます。
一括見積もりは無料のサービスなので、「できるだけお得なプランを選びたい!」という人は、ぜひ活用しましょう。