引越し業者を決めるとき、基本は訪問見積もりで料金を提示してもらうことになります。ただ、複数社から見積もりを取る場合、「面倒だから、同時に来てもらおう」と考える人もいるのではないでしょうか?
しかし、訪問見積もりで営業マン同士をバッティングさせることはおすすめできません。マナー違反というのもありますが、情報を整理するのが大変ですし、高めの料金を提示される可能性があるからです。
そこでこのページでは、訪問見積もりで複数社をバッティングさせるときの注意点について解説します。また、少しでも効率よく見積もりを取るためのコツについても紹介します。
訪問見積もりを同時に行うのはマナー違反
複数社から見積もりを取ることは、安い引越し業者を見つけるための一番確実な方法です。
しかし、仕事などで忙しい人ですと、「見積もりにあまり手間をかけたくない」と思うのではないでしょうか? そのため、「複数社の営業マンを同時に呼んで、まとめて見積もりを取ろう」と考える人もいるはずです。
しかし、「訪問見積もりのバッティング」は基本的にマナー違反です。
なぜなら、他社と鉢合わせになると、営業マンは自分のペースで「自社のサービスや特徴の売り込み」ができなくなるからです。そのため、訪問見積もりで他社と鉢合わせになるのを嫌がる業者がほとんどです。
営業マンが鉢合わせすると見積もりを辞退されることもある
また、訪問見積もりの際、複数社をバッティングさせると、業者のほうから見積もりを辞退してくるケースもあります。業者としては、「バッティングさせられると見積もりがやりにくい」というのが理由です。
それに、「バッティングさせるユーザーはマナーがない」と業者側は考えます。そのようなマナーのないユーザーは、契約してもその後にクレームをつけてくるかもしれません。ですから、バッティングさせると、業者のほうから見積もりを断ってくる可能性があります。
そうなると、必然的に業者の選択肢が少なくなってしまいます。「条件を比較してお得に引越したい」と考えている人にとって、選べる業者が少なくなってしまうのは致命的です。
業者を同時に呼んでオークション形式を取るのはほぼ無理
業者同士をバッティングさせることで、「オークションのように料金を競り合わせて格安にしよう!」と考える人もいるかもしれません。
しかし、前述のとおり、訪問見積もりでバッティングさせられると、業者側に悪い印象を与えてしまいます。そうなると、たとえ「他社」を意識させたところで、思うように値引きしてもらえない可能性があります。
むしろ、業者側は「マナーのないユーザーは契約してもらいたくない」と考えるため、通常よりも割高な料金を提示して、間接的に断ってくるケースもあります。
したがって、「業者同士で値下げ競争をさせよう」と狙ってバッティングさせても、ほとんど逆効果になってしまいます。これでは、せっかく複数社から見積もりを取っても、あまり意味がありません。
同時見積もりは情報整理が困難
一度、複数社の営業マンから同時に見積もりを取っている光景を想像してみてください。各社がそれぞれでプランやサービスの特徴を説明してくるため、情報を整理するのが非常に大変になります。
あとから情報をまとめても、「どこの業者が何て言ったっけ?」と混乱して、結局、見積もりの内容を正確に比較するのが難しくなります。
ですから、複数社から見積もりを取るメリットが、バッティングさせることでデメリットになってしまうのです。
料金の提示を焦ると、いい加減な見積もり内容になる
また、複数社をバッティングさせようとする人のなかには、「手っ取り早く料金だけ提示してもらおう」と考える人もいるかもしれません。
しかし、情報や条件などをきちんと伝えてからでないと、正確な料金を提示してもらうことはできません。したがって、「料金はいくらですか?」と焦るほど、いい加減な見積もりになってしまいます。
本来であれば、訪問見積もりの際に「荷物量」「建物の周辺環境」「希望する条件」などを詳しく確認する必要があります。しかし、それを適当に行ってしまうと、引越し当日になってから想定外のことが生じる可能性があります。
これは追加料金などのトラブルに直結する原因になります。ですから、たとえ時間をかけたくなくても、料金の提示は焦らずに、きちんと情報を伝えたり確認したりすることが大切です。
このように、訪問見積もりで複数社を鉢合わせるのは、ほとんどデメリットしかありません。
業者同士のバッティングはやめておきましょう。
やむを得ない場合は予め事情を伝えておく
とはいえ、「引越し業者の比較はしたいけど、どうしても時間がない」という人もあるかと思います。その場合は、最終手段として、複数社を同時に呼ぶのもありです。
ただし、業者同士をバッティングさせるときは、事前のその旨を連絡して伝えておく必要があります。バッティングすることを知らせておかないと、あなたの印象が悪くなってしまうだけです。
見積もりを断られることもありますが、それは仕方のないことです。
バッティングさせる場合でも2社までが限界
しかし、複数社をバッティングさせるといっても、せいぜい2社までが限界です。同時に3社も4社も呼んでしまうと、各社から説明を受けて情報をまとめるのが相当大変になるかと思います。
また、1社から説明を受けているときは、ほかの業者は待ちぼうけを受けることになります。複数社を同時に呼べばスムーズのように思えますが、実際のところは逆です。別々の時間に訪問してもらう必要はないものの、その1回の訪問見積もりは、かなり時間がかかるはずです。
したがって、引越し業者をバッティングさせるにしても、同時に呼ぶのは2社までと考えておいてください。それ以上のバッティングは現実的ではないため、あまり考えないほうが良いです。
きんとメモを取って情報を整理しよう
2社から同時に見積もりを取る際、最も重要になるのが「情報の整理」です。あとになって「どっちの業者が何て言ったっけ?」とならないように、しっかりメモ取りの準備をしておきましょう。
その際、2社から同時に情報を聞き出すのではなく、説明を受ける時間をある程度を区切るのがポイントです。そのうえでしっかりメモを取れば、説明された情報も整理しやすいはずです。
訪問見積もりの時短テクニック3選
とはいうのものの、やはり見積もりは1社ずつ取るのが基本です。
お得で条件のいい業者を選ぶには、見積もりを丁寧に取ることが肝心だからです。
そこで、見積もりのときの手間と時間を省くためのテクニックを紹介します。これを実践してもらえば、1社ずつ丁寧に見積もりを取りつつ、各社の見積もりを効率よく比較できるはずです。
1.一括見積もりで依頼の手間を省く
最も重要なポイントは「一括見積もりサービス」を利用することです。
複数社にまとめて見積もりの依頼ができるため、業者を比較したい人にとっては必須のサービスです。各社の料金をすぐに比較できるため、手間をかけたくない人にとっても好都合です。
一括見積もりは無料のサービスなので、業者選びの際は必ず活用しましょう。
2.訪問見積もりの終了時間をあらかじめ伝えておく
単身者であれば、訪問見積もりにかかる時間は「30分~1時間程度」が目安になります。ただ、複数社から見積もりを取る場合は、1社にかける時間はできるだけ短くしたいところです。
そこでポイントになるのが、「終了時間を決める」ことです。
そうすれば、1社の見積もりをテンポ良く終わらせることができるため、時間の短縮にかなり効果的です。1社につき1時間確保するのがベストですが、あまり時間を取れない場合は、30分ごとにテンポ良く進めることも可能です。
3.その場では、引越し料金の値引き交渉はしない
また、訪問見積もりの際、対面で値引き交渉するのを想像する人もいるかと思いますが、その場で値引き交渉するのはおすすめできません。
なぜなら、交渉で粘られると、営業マンの滞在時間がズルズルと長くなってしまうからです。そうなれば、あなたの体力と時間を消耗するばかりです。また、相手もプロですから、対面での交渉は向こうに有利です。
ですから、値引き交渉は後日電話で行うのが良いです。そうすれば、各社の見積もりをじっくり比較できますし、対面での交渉より冷静に対応できるはずです。
ここまでのポイントをまとめます。
- 一括見積もりを使って複数社へまとめて見積もりを依頼すれば、手間がかからない
- 一括見積もりでゲットした概算料金を比べて、正式に見積もりを依頼したい業者を絞り込む
- 訪問見積もりの終了時間を決めて、1社ずつの見積もりを簡潔に終わらせる
- 営業マンの滞在がズルズルと長引かないよう、値引き交渉は後日電話で行う
これらのポイントを意識しておけば、1社ずつ見積もりを取っても手間と時間を省けますし、各社の料金を効率よく比較できます。
「条件は比較したいけど、手間はかけたくない!」という人は、ぜひポイントを押さえておきましょう。
基本、見積もりのバッティングはNG!
「できるだけ条件のいい引越し業者を選びたい!」と考えるのは当然のことかと思います。
ただ、前述のとおり、訪問見積もりで業者同士をバッティングさせることはおすすめできません。
あなたの印象を悪くしますし、結果的に料金が割高になる可能性があるからです。また、業者の選択肢が少なくなってしまうことにもつながります。
ですから、複数社から見積もりを取るときは、
- 一括見積もりサービスを利用する
- 訪問見積もりの終了時間を決める
- 値引き交渉は後日行う
この3つのポイントを押さえておきましょう。
そうすれば、見積もりにかける時間と手間を最小限に抑えることができるはずです。