引越しの際に、「NHKの契約まで気が回らない」という人もいるかと思います。それでは引越しをする際に、NHKにおいてどのような手続きが必要になるのでしょうか。
すでにNHK受信料の契約をしている場合は、住所変更の手続きをしなければいけません。これは、NHKに限ったことではありません。基本的に、どこかと契約を交わしている場合は、登録上の住所を変更する必要があります。
また、実家などから独立する場合は、新規でNHKと契約を交わすことになります。
それとは逆に、「テレビを処分して、今後テレビを見ない」「海外へ引っ越す」などの場合は、NHK受信料の解約をしましょう。これらの手続きをしないと、受信料を余計に支払わなければいけなくなることも考えられます。
ここでは、引越しにともなうNHKの手続きについて説明します。
NHK受信料は支払うべき?
そもそも、なぜNHKの受信料を支払う必要があるのでしょうか。
結論から言うと、法律で定められているからです。放送法では、「NHKを受信できる設備を持っている人は、NHKと契約しなければいけない」と決められています。「何でNHKだけお金を取るの?」と不満に思うかもしれませんが、法律なので仕方ありません。
NHKを受信できる設備とは、「テレビ」「チューナー内蔵のパソコン」「ワンセグ携帯」などがありますが、とにかくテレビが見れるものは全て該当します。これらの設備を持っている場合は、「NHK番組を見る見ないに関わらず、受信料は支払わなければいけない」とされています。
引越しの際はNHK契約の住所変更が必要になる
ここでは、すでにNHKと契約している人が引越した場合の手続きについて説明します。
この場合、契約者の住所変更が必要になります。間違えて新居でも契約してしまうと、受信料を二重に請求される可能性があるので注意しましょう。
NHKの住所変更は、電話またはインターネットから手続きできます。その際に、以下の情報が求められます。
NHKの住所変更に必要な情報
- お客様番号(領収書などに記載)
- 契約者の氏名
- 現住所
- 新住所
- 転居予定日
- 新住所での希望支払い方法
これらの情報を伝えれば、住所変更は完了です。
就職、結婚などで独立する場合はNHKと新規契約を交わす
就職や単身赴任、結婚などで、現在住んでいる世帯から独立する場合は、住所変更ではなく、新規契約の手続きが必要になります。手続きは、NHKホームページにある「受信料の窓口」から手順にしたがって行いましょう。
ただし、テレビ(NHKを受信できる設備)などを新居に持ち込まない場合は、NHK受信料の契約を交わす必要はありません。
たとえ、新居にNHKの職員が訪問してきても、とくに対応することはありません。インターホンで「テレビはありません」とだけ伝えて、速やかに帰ってもらいましょう。
すでに契約している人と同居する場合は「世帯同居」の手続きを行う
また、一人暮らしや単身赴任を解消して、実家や家族の住んでいる自宅に戻ることも考えられます。この場合も同様に、NHKホームページにある受信料の窓口から「世帯同居」の手続きを行ってください。
一人暮らしをしていた人同士が結婚して同居する場合は、世帯主が「住所変更」を行います。さらに、同居人は「世帯同居」の手続きを行います。もしNHKの契約をしていなければ、世帯主が「新規契約」を交わすことになります。
「世帯同居」の手続きは、2ヵ所で支払っていた受信料を1つにまとめるためのものです。これをしておかないと、2倍の受信料を払い続けることになりますから注意してください。
NHK受信料の家族割引について
NHK受信料には「家族割引」というものがあります。たとえば、以下のようなケースで適用されます。
- 単身赴任や学生の一人暮らしなど、同一生計の家族が離れて暮らす場合
- 別荘や別宅など、同じ契約者が複数の住所でNHKと契約している場合
この場合、単身赴任者や学生が住んでいるところの受信料は「50%割引き」になります。また、別荘や別宅の受信料も同じです。この割引きを利用しないと、受信料を余計に払い続けることになります。該当する場合は、早めの手続きすることをおすすめします。
ただし、家族割引が適用されるのは、受信料を「口座振替」または「クレジットカード引き落とし」で払っている場合に限ります。受信料を振込用紙で払っている場合は割引きはされません。
NHK受信料契約を解約する方法
前述のとおり、NHK放送を受信できる設備がある場合は、受信料を払わなければいけないことになっています。
ただし、「NHKを見れる環境」でなければ、受信料を払う必要はありません。ですから、その場合は、NHK契約を解約しましょう。
KHKを解約するには、以下の条件が求められます。
【NHK解約の条件】
- テレビを設置している住所に住まなくなる場合
- テレビの故障、廃棄などにより、受信できるものが全てなくなった場合
これらがNHKを解約するのに必要な条件です。ただ、「テレビを処分しました」と伝えるだけでは不十分で、それをきちんと証明しなければいけません。そうしないと、解約には対応してもらえない場合がほとんどです。
テレビなどを処分したことを証明するには、たとえば「家電リサイクル券」などがあります。また、リサイクルショップに売った場合は、そのときの「明細書」などが有効です。いずれにしても、上記の条件を満たしていると証明できなければ、解約は難しいと思います。
解約をするときは、NHKホームページにあるフリーダイヤルに電話をします。このフリーダイヤルは全国共通ですから、混み合う可能性が非常に高いです。
その場合は、住んでいる都道府県のNHKに電話をしてみてください。そうすれば、スムーズに対応してもらえると思います。なお、解約手続きをインターネット上から行うことはできません。
NHKの解約手続きをする前の準備
NHKを解約するには、テレビがないことを証明する必要があります。きちんと証明ができなければ、解約には取り合ってもらえません。これだけ厳しくしているのは、「受信料を払っていない人がいる」というのが実情だからです。
振込用紙での支払いに変更しておこう
そこで、解約を申し出る前にやっておきたいことがあります。それは、「支払方法の変更」です。具体的には、「口座振替」または「クレジットカード引き落とし」にしている場合は、「継続振込(振込用紙での支払い)」に変更しておくのです。
そうしておけば、解約の申請がなかなか受け付けてもらえないときでも、受信料の支払いを自分でコントロールすることができます。
口座振替やクレジットカード引き落としの場合、自分の意思で支払いを止めることが難しくなります。そのため、解約できなければ、いつまでも受信料を払い続けることになります。
この場合、支払いを止めるには「カードの解約」もしくは「口座の凍結」しかなくなります。しかし、この方法では、その他の料金の引き落としや口座振替まで変更しなければいけなくなります。これでは、面倒になるばかりです。
NHKの解約申請はスムーズに通らないケースがあります。ですから、そのことを想定して、あらかじめ支払い方法を変更しておくことが重要になります。
引越し後、NHK職員がすぐに新居へ来るのはなぜ?
「引越してすぐに、NHK職員が新居に訪問してきた」というのは良くある話です。「何で引越したことを知っているの?」と不安を感じる人もいるかと思います。
実は、NHKは不動産会社や郵便局などから「転居の情報」を得ています。つまり、NHKは引越したことを把握することができるのです。そのため、引越してしばらくすると、契約状況の確認にNHK職員が訪問してくるというわけです。ただ、これは何も違法ではありません。
突然訪問されて驚く人もいるかと思います。また、「ドアを開けて対応するのが怖い」という人もいるかもしれません。NHKを名乗って訪問してくる人は、委託された業者スタッフの場合がほとんどです。
NHKの訪問に対応する必要はない?
もし何らかの手続きが必要となれば、電話やインターネットでも可能です。ですから、訪問してくる職員に対応する必要はとくにありません。
そのときの対応の仕方ですが、「居留守」を使っても構いません。いないと分かれば、すぐに帰るはずです。インターホンに出た場合は、「NHKに直接連絡します」とだけ伝えましょう。もし色々と聞かれてしつこい場合は、インターホンを切りましょう。
NHKを装う不審なメールに要注意!
NHK受信料を未払いにしている人がいるのは事実です。最近では、そのことを逆手も取り、NHKを装ったところから不審なメールが送られてくる被害もあるようです。
たとえば、「NHKより重要なお知らせ」というタイトルのメールで、内容は「受信料未払いに関する訴訟」となっていることがあります。そのような迷惑メールでは、個人情報やクレジットカード情報などを入力するように促されるような悪質なものです。
間違っても、そのような不審なメールに従ってはいけません。それは間違いなく「詐欺」です。NHKからメールで訴訟に関する内容を送ることはないです。もし不審なメールが送られてきた場合は注意してください。
まとめ
ここまでの説明で、引越しにともなうNHKの手続きについて理解できたかと思います。基本的に、引越したときは「住所変更」の手続きが必要になりますから、そのことは覚えておきましょう。
また、場合によっては「解約」や「家族割引」などの手続きが必要になることもあります。これをしないと受信料を余計に請求されてしまうため、早めの対応が必要です。
引越しの際は何かと忙しくなりますが、ひとつひとつ確実に対処していきましょう。