これから引越しをする人にとって、「引越しにいくらかかるのか」というのは最も気になるポイントのひとつです。
引越し料金は、おもに「時期」「移動距離」「荷物量」によって決まります。ですから、引越しの条件によって料金は大きく異なります。また、引越し料金には「定価」がないため、業者によっても差が生じます。
そこで、見積もりまえに、引越し料金の相場を把握しておくことが重要になります。そうすれば、提示された料金が高いのか安いのか、ある程度は判断できます。
ただ、相場を把握できたとしても、できれば費用を安く抑えたいものです。
そこでこのページでは、引越しにかかる費用の相場を「時期」「移動距離」「世帯人数」など、さまざまなケースごとに紹介します。また、引越し料金を安くするコツについても紹介します。
引越し料金を決定付ける3つの要因
引越し料金は、「引越し時期」「移動距離」「荷物量」によって決まります。
下記の相場表をチェックするまえに、その理由について理解しておきましょう。
繁忙期と通常期
- 繁忙期 3~4月
- 通常期 5~2月
引越し料金は時期による影響が大きいです。
「3~4月」は就職、入学、転勤などで生活環境が変わる人が多いため、引っ越す人が急増します。この時期はいわゆる「引越しシーズン」と呼ばれ、引越し業者への依頼も殺到します。
引越し業者にとって繁忙期(稼ぎどき)になるため、強気の料金設定にしているところがほとんどです。
繁忙期の料金は、通常期に比べて1.3~1.5倍ほど高くなります。とくに「3月の最終週~4月の前半までの土日」は繁忙期のなかでも最も忙しくなるため、料金はさらに値上がりします。
一方、「5~2月」の通常期になると、引越し依頼はガクッと減ります。そのため、業者は「1件でも多く受注したい」と考え、「値引き交渉がしやすい」「無料サービスをつけてくれる」など、引越しする人にとってメリットが多い時期でもあります。
移動距離
「移動距離」も引越し料金に大きく影響します。近場の引越しであれば、そこまで気にする必要はありませんが、引越し先が遠方になると、「基本運賃」「高速道路の料金」「人件費」などが高くなります。
たとえば、一人暮らしの引越しの場合、県内であれば3万円で済むところが、遠方になると10万円以上かかるケースもあります。この場合は、料金が3倍以上高くなります。
つまり、それだけ「移動距離」が引越し料金を左右するということです。
荷物量
「荷物量」についても無視することはできません。荷物が極端に少ない一人暮らしの場合は、引越し料金はかなり安くなるはずです。一方、戸建て住宅に住んでいる家族の場合は、単身者に比べて料金は5倍以上になることもあります。
単純に考えて、荷物が増えると作業量が増えます。当然ながら、それにともない作業員も増やす必要があります。また、荷物量に合ったトラックも手配しなければいけません。
これらの理由から、基本的に、「荷物量」が増えると引越し料金は高くなります。
【タイプ別】引越しの料金相場・料金の目安チェック表
このように、引越し料金は「時期」「移動距離」「荷物量(世帯人数)」によって大きく異なります。
下記で紹介する「引越し料金の相場表」は、世帯人数・引越し時期・移動距離ごとにわかりやすくまとめています。該当するところをチェックして、見積もりのときの参考にしてください。
単身引越しの料金相場と料金目安
【荷物が少ない人の場合】
通常期 | 繁忙期 | |
~15km未満(市区町村内) | 34,000円 | 39,000円 |
~50km未満(都道府県内) | 36,000円 | 47,000円 |
~200km未満(同一地方内) | 42,000円 | 46,000円 |
~500km未満(近隣地方) | 53,000円 | 54,000円 |
500km以上(遠距離地方) | 61,000円 | 67,000円 |
【荷物が多い人の場合】
通常期 | 繁忙期 | |
~15km未満(市区町村内) | 45,000円 | 53,000円 |
~50km未満(都道府県内) | 45,000円 | 58,000円 |
~200km未満(同一地方内) | 60,000円 | 71,000円 |
~500km未満(近隣地方) | 77,000円 | 91,000円 |
500km以上(遠距離地方) | 96,000円 | 111,000円 |
2人家族の引越し費用の相場と料金目安
通常期 | 繁忙期 | |
~15km未満(市区町村内) | 60,000円 | 72,000円 |
~50km未満(都道府県内) | 68,000円 | 82,000円 |
~200km未満(同一地方内) | 82,000円 | 100,000円 |
~500km未満(近隣地方) | 103,000円 | 137,000円 |
500km以上(遠距離地方) | 152,000円 | 200,000円 |
3人家族の引越し費用の相場と料金目安
通常期 | 繁忙期 | |
~15km未満(市区町村内) | 75,000円 | 90,000円 |
~50km未満(都道府県内) | 83,000円 | 108,000円 |
~200km未満(同一地方内) | 98,000円 | 131,000円 |
~500km未満(近隣地方) | 136,000円 | 177,000円 |
500km以上(遠距離地方) | 185,000円 | 265,000円 |
4人家族の引越し費用の相場と料金目安
通常期 | 繁忙期 | |
~15km未満(市区町村内) | 96,000円 | 115,000円 |
~50km未満(都道府県内) | 112,000円 | 132,000円 |
~200km未満(同一地方内) | 131,000円 | 177,000円 |
~500km未満(近隣地方) | 172,000円 | 231,000円 |
500km以上(遠距離地方) | 228,000円 | 297,000円 |
5人家族の引越し費用の相場と料金目安
通常期 | 繁忙期 | |
~15km未満(市区町村内) | 137,000円 | 141,000円 |
~50km未満(都道府県内) | 147,000円 | 187,000円 |
~200km未満(同一地方内) | 188,000円 | 239,000円 |
~500km未満(近隣地方) | 229,000円 | 314,000円 |
500km以上(遠距離地方) | 330,000円 | 370,000円 |
※なお、ここで紹介する相場は、見積もりサイトを利用した人が実際に支払った金額を参考にしています。
見積もりで提示される金額を保証するものではないため、あくまでも目安として参考にしてください。
誰でもできる!引越し費用が安くなるコツ4選
あなたの条件に該当する料金相場はいくらだったでしょうか。
荷物の少ない単身者であれば、料金は比較的安いです。しかし、条件によっては、引越し料金がかなり高額になるケースもあります。
しかし、だからといって、「引越し時期」を大きく調整するのは、なかなか難しいと思います。ましてや、距離が遠いからといって、引越し先を変えられるわけでもありません。ですから、それ以外で、引越し料金を安くする方法を知っておくことが重要です。
そこで以下では、引越し料金が安くなることに直結するコツを4つ紹介します。
1.複数の業者から見積もりを取って比較する
はじめに、最重要ポイントから紹介します。
前述でもふれましたが、引越し料金は業者によって大きな差が生じます。たとえば、単身者の引越しでも、場合によっては数万円の差が生じるケースがあります。
したがって、少しでも安い業者を選ぶためには、複数社から見積もりを取り、料金を比較することが欠かせません。当たり前のように思うかもしれませんが、見積もりを取るのが面倒で、やらない人も意外と多いです。
しかし、相見積もり(見積もりの比較)は、引越し料金を安くするうえで最も効果的な方法です。ですから、必ず押さえておいてほしいポイントです。
ただ、引越し業者を絞り込んで1社1社に問い合わせるのは、やはり面倒です。
見積もりをカンタンに比較する方法とは?
そこで利用してほしいのが「一括見積もりサービス」です。
一括見積もりサービスを使えば、各社の料金やサービス内容をすぐに比較できます。まとめて見積もり依頼ができるため、安い業者がカンタンに見つかります。
また、あなたの要望にあったところをピックアップしてくれるため、業者を絞り込むのにも便利です。
一括見積もりは、引越し業者をカンタンに比べるためのサービスです。ですから、業者選びの際に使わない手はありません。
無料で利用できるので、ぜひ活用することをオススメします。
2.荷物を少なくする
荷物を少なくすることも、引越し料金を安くするのにとても有効です。そうすれば、「トラックサイズを小さくする」「作業員の人数を減らす」などの方法で料金を抑えることができます。
「どうしても荷物が捨てられない」という人もいるかもしれませんが、そのなかでも「使わないもの」はあるはずです。引越しは、身辺整理をする絶好のタイミングです。少し身軽になって引っ越すのも良いと思います。
3.安い時期に引越しをする
可能であれば、引越し時期も調整してみてください。ちょっとしたことですが、これもかなり効果的です。
引越し料金が安くなる時期・タイミングは、次のとおりです。
引越し料金が安くなる時期 | 引越し料金が高くなる時期 | |
月 | 5~2月(通常期) | 3~4月(繁忙期) |
週 | 月の上旬~中旬 | 月末 |
曜日 | 平日(月~木曜日)、日曜の夕方 | 土日などの休日、金曜日 |
時間 | 午後以降の時間、時間指定なし | 朝一または午前中 |
仕事や学校などの都合で引越しをする場合は、大きな調整は難しいかもしれません。
しかし、「曜日」や「時間帯」であれば調整はできると思います。調整しやすくて最も狙い目なのは「平日の午後」です。それだけでも、2~3割は料金が変わってきます。
4.オプションサービスの利用は最低限に抑える
引越しサービスには、便利なオプションがたくさん用意されています。ただ、1つの作業をお願いするだけでも、数千~数万円の料金がかかります。
ですから、引越し料金を安くするためには、「できることは自分でやる」というのが鉄則です。
たとえば、「荷造り・荷解き」「洗濯機の取り付け・取り外し」「部屋の掃除」であれば、時間をつくったり方法を考えたりすればできると思います。それだけでも数万円の節約につながります。
不用品の処分についても注意してください。引越し業者にお願いするのが楽ですが、ひとつの家電を引き取ってもらうにも数千~数万円の費用がかかります。
早くから動き出せば、不用品を「自治体に回収してもらう」「リサイクルショップに買い取ってもらう」などの方法で処分することもできます。そうすれば、引越し費用は大幅に削れます。
もちろん、「エアコンの脱着」など、自分ではできないこともあります。そのような作業は、迷わず業者に依頼しましょう。
ただし、同じオプションサービスでも、引越し業者によって料金は異なります。ですから、オプション料金も比較するのを忘れないようにしてください。
まとめ
今回は、引越しの料金相場についてメインに解説してきました。
あらかじめ料金相場を知っておくことは大切です。見積もりの際に、「相場」と「提示された金額」を比べれば、その業者が安いのか高いのかを見極めることができるからです。
ただ、それだけでは不十分で、料金を安くするコツも押えておくべきです。
これらのポイントだけでも押えておけば、引越し料金は確実に安くなります。
ただし、「安ければいい」というものでもありません。自分の要望にあったサービスをしっかり提供してもらえるかも重要なポイントです。
そういう意味でも、引越し業者の比較は欠かせません。
ただ、1社1社に問い合わせて見積もりを取るのは手間がかかるので、「一括見積もりサービス」を使いましょう。各社の条件をカンタンに比較できるので、納得できる業者が選べるはずです。