引越しには何かと費用がかかりますが、業者に依頼するときの料金もバカになりませんよね。
でも、見積もりで提示された料金を鵜呑みにして、黙って払ってしまうのは人が良すぎます。
というのも、やりようによっては、引越し料金はもっと安くすることができるからです。
その具体的な方法はこちら。
- 正確な料金を提示してもらう
- 見積もりの比較
- 値引き交渉
- 安い時期に引っ越す
- 時間帯を指定しない
- 荷造り、荷ほどきは自分でやる
- 不用品があれば引越し前に処分する
- ダンボールが足りないときは無料調達する
- 荷物が少なければ単身パックを検討する
- 長距離引越しは混載便を検討する
すべて実践するのは難しいかもしれませんが、できるかぎりポントを押さえれば料金は確実に安くなります。
このページでは、上記10個の方法を詳しく解説していきます。
①正確な料金を提示してもらう
引越し料金を安くするためには、見積もりのとり方にも気をつけましょう。手っ取り早く電話やインターネットだけで見積もりを取る人がいますが、これは避けるべきです。
見積もりの際は、引越し業者に「荷物の量や種類」「建物周辺の状況」などの情報を正確に伝える必要があります。その上で、業者は「当日に手配するトラックのサイズや人員」「作業手順」などを決めるからです。
しかし、電話やインターネットで見積もりを取ると、これらの情報が正確に伝わらない可能性があります。もし引越し当日に想定外ことが起こると、追加料金が発生してしまう可能性が高いです。
たとえば、「予定していたより荷物が多い」「建物のそばにトラックを止めれない」といった事態です。
引越し業者はこのような想定外のことでもすぐに対応できるよう、余裕を持って「トラックのサイズ」や「作業員の人数」を手配するケースもあります。
そうなれば、料金は必然的に高くなってしまいます。
したがって、引越しの見積もりを取るときは「訪問見積もり」がオススメです。担当者に「荷物や建物周辺」を直接確認してもらえば、当日に想定外なことは起こりにくいです。
つまり、訪問見積もりを依頼することで、結果的に「当日の追加料金」や「高めの見積もり」を防ぐことができるのです。
引越し見積もりのポイント
【電話やインターネットの見積もり】
情報が正確に伝わりにくい
⇒「追加料金」「高めの見積もり」の可能性がある
【訪問見積もり】
必要な情報はすべて担当者が直接確認してくれる
⇒正確な料金を提示してもらえるため、結果的に安くなる
見積もりの依頼は早めが安い
ちなみに、見積もりを依頼するタイミングも引越し料金に影響します。
見積もりの時期がギリギリになってしまうと、値引き交渉にも応じてもらいにくくなります。それどころか、「引越し時期が迫っている」というのを逆手に取られ、高めの料金を提示されるケースもあります。
したがって、見積もりはできるだけ早めに取ることをオススメします。遅くとも、2週間前までには見積もりを依頼してください。
そうすれば、業者のほうも余裕をもった準備やスケジュールができるため、値引き交渉にも応じてもらいやすくなります。
また、早めに見積もりを取れば、じっくり他社と比較できるのもメリットです。
②引越し料金を比較する
実は、引越し料金には「定価」がありません。つまり、業者が自由に料金を決めることができます。したがって、引越し業者によって料金に差が生じるのです。
たとえば、3社から見積もりを取ったところ、各社から次のように料金を提示されたとします。
- A社 40,000円
- B社 65,000円
- C社 82,000円
このように、それぞれが提示した料金がまったく異なるケースが良くあります。ですから、安い業者を見つけるためには、複数社から見積もりを取って比較をすることが何よりも重要になります。
見積もり比較サイトとは?
そこで便利なのが、「見積もり比較サイト」です。
見積もり比較サイトを使うと、あなたの要望に合った業者にまとめて見積もりを依頼できます。
ですから、複数社の見積もりを集めるときに便利です。
いわゆる「一括見積もりサービス」のことです。
また、各社の料金やサービス内容もカンタンに比較できるため、納得のいく引越し業者が必ず見つかるはずです。
そもそも、見積もり比較サイトは、ユーザーがベストな引越し業者を見つけるためのものです。
ですから、業者選びの際は、見積もり比較サイトを使わない手はありません。
サービスの利用は完全無料なので、ぜひ活用しましょう。
③値引き交渉する
前述のとおり、見積もりを比較すれば一番安い業者が見つかります。しかし、交渉次第では、さらに料金を安くすることも可能です。ここでは、複数社から見積もりを取ったあとの「交渉手順」について説明します。
一括見積もりサービスを利用する場合、最低でも3社以上は見積もりを取りましょう。1~2社だけの見積もりでは、最安値を引き出すことはできません。
値引き交渉の流れ
たとえば3社の見積もりで、次のように料金を提示されました。
- A社 80,000円
- B社 100,000円
- C社 120,000円
この場合、一番安いのは「A社」です。そこで、「A社の金額」を基準に、さらに最安値を目指します。
交渉の流れは、以下のとおりです。
- B、C社にA社の料金を伝え、さらに安くできるか聞いてみる
- B社が「うちは78,000円まで下げます」と提案してくる
- A社に連絡をして、「他社が78,000円と言っていますが、この料金より安くできますか?」と聞いてみる
- A社「わかりました、うちは75,000円でやります」という具合に値下げをしくれる
- A社に決定
B、C社にも断りの連絡をする
このように、「一番安かった業者」を基準にして交渉を進めていきます。「まだ値下げできるだけの余力がある」という業者であれば、交渉に応じてくれるはずです。
なお、交渉を苦手に感じる人もいるかと思います。その場合は、気になる業者に「もう少し安くなりますか?」と聞くだけでも効果的です。
値引き交渉は、すべての業者から見積もりを取ったあと、後日電話で行うのがオススメです。
なぜなら、そのほうが条件をじっくり比較できますし、落ち着いて交渉できるからです。
訪問見積もりの際に交渉すると、「この場で即決してもらえば、○○円安くします」という営業トークに押されて、依頼先を即決してしまう可能性があります。
しかし、これでは最安値を引き出すことが難しくなります。
各社の見積もりを比較するだけでも、料金を安くするのにはかなり効果的です。
しかし、上記のように交渉することで、料金をさらに引き下げることも可能です。ぜひチャレンジしてみてください。
④安い時期を見極める
引越し料金には「時期」が大きく影響します。
引越しシーズンと呼ばれる「3~4月」は就職、転勤、入学などの理由から、1年のうちで最も引越し依頼が集中する時期です。つまり、引越し業者にとっての「繁忙期(稼ぎどき)」になります。
普段、値引きに積極的なところも、この時期ばかりは「強気の料金設定」になります。なぜなら、予約が殺到するため、値引きをしなくても受注できるからです。
したがって、引越し業者の繁忙期となる「3~4月」は料金が高くなります。
しかしながら、それ以外の時期(5~2月)になると、繁忙期に比べて依頼は一気に減ります。そのため、引越し業者の間では、「ユーザーの取り合い」のような状態になります。業者としては、1件でも多くの予約を取りたいところです。
このような理由から、5~2月というのは、値引き交渉にも応じてもらいやすくなります。他社よりも料金を安くすれば、それだけ予約してもらえる可能性が高くなるからです。
したがって、時期を調整できるようであれば、3~4月の繁忙期を避けることで引越し料金は安くなります。
曜日を調整するのもポイント!
しかしながら、仕事や学校の都合で引越しをする場合は、時期を調整するのは難しいと思います。ですから、そのような場合は、「曜日」を調整してみてください。
基本的に、引越し予約が集中しやすいときは、料金が高くなります。
たとえば、土日や祝日などは多くの人が休日になるため、引越し依頼が増えます。また、金曜日も比較的引越しをする人が多いです。なぜなら、週末にゆっくり荷解きや片付けの時間を取れるからです。
したがって、土日・祝日、金曜日は割増料金になります。
一方、平日になると引越し依頼は減るため、料金が安くなります。ですから、有休などを使って土日の引越しを避けることで、引越し料金を安く抑えることができます。
【引越し料金の安い時期・高い時期】
安い時期 | 高い時期 |
5~2月 | 3~4月 |
月曜日~木曜日 | 土日、祝日などの休日、金曜日 |
⑤時間帯指定なしのフリー便を利用する
さらに、引越し料金は時間帯によっても異なります。
一般的な引越しプランには、「午前便」「午後便」「フリー便」の3つの時間帯設定があります。
フリー便とは、「日にちだけを決めておき、時間は業者の都合にあわせるプランのこと」です。
それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
午前便 |
業者スタッフが疲れていないため作業がスムーズ 予定どおりの時間から作業を開始できる 午後に荷解きや役所手続きなどの時間が取れる |
午後便 |
午前中に引越しの準備ができる 午前のスケジュールが遅れた場合、作業が予定どおりに始まらないことがある 引越し後に荷解きをする時間が取りにくい |
フリー便 |
作業の開始時間が前日までわからない かなり遅い時間に作業がスタートすることがある 当日のスケジュールが立てにくい |
このように、「午前便」は引越しをする人にとって非常にメリットが多いです。そのため、1日のなかでも「午前便」は人気が高く、料金も高めです。
一方、「フリー便」の場合は、時間指定をしないで業者の都合に合わせることになるため、料金は安くなります。ですから、時間に融通が利く人は「フリー便」を検討してみましょう。
ちなみに、フリー便でも比較的早い時間からスタートする場合もあります。
【引越し料金の安い時間帯・高い時間帯】
安い時間帯 | 高い時間帯 |
時間指定なし(フリー便) | 朝一または午前(午前便) |
⑥荷造り・荷解き作業は自分でやる
通常の引越しプランには、荷造り・荷解きの作業は含まれていません。つまり、自分でやるのが前提になります。
ただ、「荷造り・荷解き作業」をオプションサービスとして設定している業者がほとんどです。もちろん料金はかかりますが、業者に荷造り・荷解きを依頼することもできます。
しかし、荷造りや荷解きを業者に依頼するとなると、何人かのスタッフを数時間拘束することになるため、料金はかなり高くなります。
ですから、「忙しくて荷造りする時間がない」「高齢で荷造りする体力がない」という人以外は、自分で荷造り・荷解きを行いましょう。そうすれば、料金はかなり抑えられます。
⑦不用品の処分方法を早めに検討する
引越しのタイミングで、家具や家電を買い替えるという人もいるかと思います。他にも服や食器、本、楽器など、使っていないものがいくつかあるはずです。これらの不要なものは、引越し前にできるだけ処分しておくと良いです。
なぜなら、荷物量によって引越し料金は左右されるからです。ですから、不用品を処分して荷物をできるだけ減らしておけば、引越し料金は安くなります。
不用品の処分方法
不用品を処分する方法ですが、まずは「リサイクルショップ」に持っていくのがオススメです。そうすれば、捨てるはずのものを現金化できるかもしれません。
なお、「近くにリサイクルショップがない」「家具・家電は簡単に持ち運びできない」という場合は、出張買取を行っているお店に依頼しましょう。忙しい人にとっても出張買取は便利です。
リサイクルショップで買い取ってもらえなかったものは、自治体の指示に従って処分しましょう。なかには処分に料金がかかるものもありますが、専門業者に処分を依頼するよりは、かなり安く済みます。
また、「不用品の引き取り」を引越し業者にお願いすることも可能です。しかし、オプションサービス扱いになるため、数千~数万円の料金がかかります。
したがって、不用品の処分方法は、次の順番で検討してみてください。
- 比較的キレイなものはリサイクルショップに売る
- リサイクルショップに売れないものは自治体で処分する
- 粗大ゴミなど、自治体の回収が間に合わない場合は、引越し業者に引き取ってもらう
わざわざ不用品を新居に持っていくのは無駄です。ですから、いらない物はできるだけ引越し前に処分しましょう。そうすれば、料金を安く抑えられるだけではなく、現金化できる可能性もあります。
⑧ダンボールを自分で調達する
引越しの契約をすれば、業者からダンボールを無料で支給してもらえます。無料というよりは、「はじめから料金に含まれている」といったほうが適切かもしれません。
もしダンボールが足りなくなった場合でも、追加でもらうことが可能です。ただし、この場合は追加料金が発生します。
そこで、ダンボールを無料で調達する方法があります。スーパーやドラッグストアなどには、不要になった梱包用のダンボールがたくさん置いてあることがあります。もともと処分するものですから、お願いをすれば無料で譲ってくれると思います。
とくに「単身パック」などの格安プランの場合は、ダンボールが有料になります。その場合、ダンボールを購入することになりますが、ドラッグストアなどで調達するのもひとつの方法です。
⑨荷物が少ない場合は単身パックを検討する
単身パックとは、「専用ボックスに荷物を積み込んで輸送する宅配便感覚の引越しサービスのこと」です。複数のボックスを1台のトラックに積んで輸送するため、通常プランよりはお得です。
ただし、専用ボックスのサイズが決まっているため、大きな家財を運ぶのには適していません。
したがって、単身パックは「荷物が少ない人向けのプラン」になります。学生や単身赴任など、必要最低限の荷物で生活している人にオススメです。
単身パックについては、次の記事に詳しくまとめています。検討する場合は、ぜひ参考にしてください。
⑩長距離引越しは混載便を検討する
混載便とは、「あなたの荷物と他の人の荷物を同じトラックで運送する引越しサービスのこと」です。そのため、運転手の人件費、ガソリン代、高速料金などのコストが抑えられ、引越し料金が安くなります。
ただし、同じ地方へ引っ越す人がいないと、混載便は成立しません。混載便を利用するには、ほかの希望者が現れるまで待たなければいけないため、「いつでも利用できるサービスではない」というのがデメリットです。
混載便を希望する場合は、業者にプランの設定があるのかを確認してみましょう。
まとめ
今回は、私が引越し経験を繰り返すうちに学んだ「引越し料金を安くするコツ」について紹介しました。
説明のうち、とくに重要なポイントについてまとめます。
引越し料金を節約するための鉄則(元引越しビンボー推奨)
- 訪問見積もりで正確な料金を提示してもらう
- 見積もり比較サイトを使って各社の料金を比較する
- 他社の見積もりを引き合いに出し、値引き交渉する
- 時期を調整できない場合は、「平日の午後」が狙い目
引越し業者を選ぶうえで、「見積もり」が肝になります。
3〜5社くらいから見積もりをとり、各社のサービス内容や料金をよく比較したうえで依頼先を選びましょう。