引越しを業者に依頼する場合は、必ず見積書をもらうはずです。ただ、「見積書で何をチェックすればいいの?」と思う人もいるのではないでしょうか。
見積書には、「費用の総額や内訳」が書かれています。もちろん、金額に関しては、見れば理解できるはずです。しかし、費用以外にも、引越し当日の作業やサービスの内容なども書かれているため、それについても確認する必要があります。
ここでは、「引越しの見積書」でチェックしておくべき項目について詳しく説明します。
引越し見積書でチェックすべきポイントは6つ
引越しの見積書でとくに確認しておきたいことは、以下の6つの項目です。
見積書で確認すべきポイント
- 見積書なのか契約書なのかを確認する
- 引越し日時と住所
- 荷物リスト
- 手配されるトラックのサイズ、作業員の人数
- オプションサービスの種類と料金
- 費用の総額・内訳
見積書には「費用の総額・内訳」のほかに、「当日のサービス内容や作業内容」についても書かれています。
当日になって、「追加料金を請求された」「希望していたサービス内容と違っていた」ということにならないよう、見積書の内容はしっかり確認するようにしましょう。
見積書の見方を理解しておけば、引越しを依頼するかどうか、検討しやすくなるはずです。とくに、他社の条件と比較するときは、見積書が重要なアイテムになります。
下記では、「見積書でチェックしておきたい6項目」について、順に詳しく説明します。
1.見積書なのか契約書なのかを確認する
まず大前提として、「見積書」と「契約書」を間違えないようにしてください。見積書と契約書は、まったく別モノです。
引越しの契約を交わすまでに、これら2つの書類が用意されます。
見積書とは
当日の作業内容をもとに計算された料金(概算)が書かれた書類。
契約書とは
引越し契約の内容が書かれた書類。
もちろん、書類には「見積書」もしくは「契約書」と書かれているため、どちらなのかは見れば確認できます。
ただし、注意しなければいけないのは、「見積書」と「契約書」が一緒になっている場合です。これに気づかずにサイン・押印をすると、「いつの間にか契約を交わしていた」ということにもなりかねません。
ですから、その書類が「見積書」なのか「契約書」なのかは最初に確認してください。
良く検討してから契約しよう
契約後に、「やっぱり他の業者に依頼したい」とキャンセルを申し出た場合、違約金が発生するケースもあります。
ですから、依頼するか迷っていたり検討したりする場合は、一旦、契約はぜずに、見積書だけをもらうようにしてください。契約するかは、後日、検討してからにしましょう。
2.引越し日時、新旧住所を確認する
引越しの日時や作業を行う住所についてもしっかり確認しておきましょう。
具体的には、以下の項目になります。
- 引越し日
- 荷物の積み地(現在の住所)
- 荷物の下ろし地(引越し先の住所)
- トラックの到着時間
- 作業終了の予定時間
【作業時間】
引越しの予定日だけでなく、時間についても確認しておくと安心です。
なお、料金を安く抑えるために「フリー便」で申し込む人もいるかと思います。フリー便は時間指定がないため、見積書にも書かれていないはずです。間違えないようにしましょう。
【住所】
積み地・下ろし地については、基本的に「現在の住所・新住所」を確認しておけば大丈夫です。ただし、他の場所に立ち寄って荷物を積み込む場合は、そこの住所もしっかり確認しておいてください。
【お届け日】
長距離の引越しになると、搬入と搬出が別の日になる可能性があります。その場合は、「引越し日」だけでなく「お届け日」がいつになるのかも確認する必要があります。
【梱包作業日時】
「おまかせプラン」や「らくらくプラン」など、荷造りサービスを利用する場合、事前に業者スタッフが訪問し、梱包作業を行うのが一般的です。したがって、「梱包作業日時」と「引越し日時」は異なるため、スケジュールを確認しておきましょう。
3.荷物情報を確認する
引越しの見積書には、「荷物のチェックリスト」があります。これは、荷物の量や種類を確認するための項目です。引越し業者は、この荷物リストからトラックのサイズなどを決めます。
もし荷物のチェック項目に間違いがあると、最悪の場合、トラックに積みきれないことも考えられます。とくに家電や家具、自転車など、大きな荷物にチェック漏れがないか、きちんと確認するようにしてください。
4.トラックのサイズ、作業員の人数を確認する
「トラックのサイズ」と「作業員の人数」は、引越し料金を大きく左右する項目です。これらは、荷物量や新旧居の周辺環境(トラックの駐車位置、道幅など)によって変わります。
「トラックのサイズ」や「作業員の人数」が適切か疑問に感じたときは、そのことについてしっかり説明を受けましょう。そうすれば、提示される料金にも納得ができるはずです。
「積み切り」に注意!
見積書に「積み切り」と書かれている場合は注意してください。
これは、「トラックに積めるだけの荷物しか運びません」という意味になります。
もしトラックに荷物を積みきれなかった場合は、残ったものを自分で運ぶか、追加料金を払って運んでもらう必要があります。
最悪の場合、荷物をそのまま置いていかれるケースもあります。
このようなトラブルを防ぐためには、訪問見積もりで荷物量を直接チェックしてもらうのが一番です。そうすれば、「荷物が積み切れない」というトラブルが起こるのは考えにくいです。
5.依頼する引越しオプションサービスについて確認する
引越し業者が行う作業は、「基本作業」と「オプションサービス」に分けることができます。
引越し業者が行う基本作業
- 荷物の搬入、搬出
- 荷物の輸送
- 建物を保護するための養生
- 家具、家電の梱包と配置
これらが、基本的な引越しプランに含まれる作業です。したがって、これ以外の作業は、「有料オプションサービス」になります。
たとえば、オプションサービスには、以下のような作業があります。
オプションサービスの一例
- エアコンの取り付け・取り外し
- 洗濯機の取り付け・取り外し
- 小物の荷造り、荷解き
- 車やバイクの輸送
- ピアノやペットの輸送
- ハウスクリーニング
オプションサービスは便利なものばかりですが、基本的にはすべて有料になります。サービス内容によっては、かなり高額なものもあります。そのため、オプションサービスの有無で、料金に大きな差が生じます。
オプションを依頼する場合は、見積書にある「サービスの種類と料金」をしっかり確認しておきましょう。万が一、伝えたとおりの内容になっていないと、「希望する作業の手配がされていない」といったトラブルの元になります。
ちなみに、引越し費用を節約するには、「できることは自分でやる」ことが大事です。料金の安さを重視する人は、オプションサービスの利用は最低限に抑えておきましょう。
6.引越し料金の費用総額・内訳を確認する
見積書の内容のなかで、「費用総額」が最も気になるポイントです。そのため、費用総額を確認し忘れることは考えにくいです。
しかし、総額だけでなく、「費用の内訳」「追加料金の有無」「消費税額」についてもチェックする必要があります。あとから見積書を見ても、「これ何の金額だっけ?」と分かりにくい項目もあると思います。
ですから、費用の内訳において不明な点は、見積もりの際に必ず確認するようにしてください。
引越し料金の追加請求の有無も確認しよう
また、追加料金にも注意が必要です。見積書に書かれている金額だけで済むと思われがちですが、さまざまなケースで追加料金が発生することがあります。その場合、「見積書の金額」より「実際の請求金額」のほうが高くなります。
追加請求が発生するケース(例)
たとえば、ダンボールなどの費用は基本的にプラン内に含まれるため、無料サービスという扱いになります。
しかし、無料でもらえる梱包資材だけでは足りない場合、追加すると料金が加算されるので注意しましょう。
また、当日に不測な事態が起こった場合は、追加請求される可能性もあります。
たとえば、「荷物量が増えた」「荷造りが終わっていない」「吊り作業などの特殊な手順が増えた」といったケースです。
したがって、見積書の金額だけでは済まない可能性も考えられます。ですから、見積もりの際に、「どのような場合に追加料金が発生するのか」という点については、しっかり確認しておきましょう。
引越し料金の支払方法についても確認しよう
なお、料金の支払い方法についても、見積もりの際に確認しましょう。
「現金払いの場合」は、作業が終わってから支払うのが一般的です。そのため、引越し当日は現金を忘れずに用意してください。
「クレジットカード払い」や「銀行振り込み」を希望する場合は、あらかじめその旨を業者に伝えておく必要があります。そのうえで、支払いのタイミングなどについて説明を受けてください。
見積書の金額と請求金額が違う!?追加料金を回避するには「訪問見積もり」が必須
ここまでの説明で、見積書を確認するのが、いかに大切なことかを理解できたと思います。
見積もりを取るときは、「荷物の量や種類」「建物や周辺環境」を正確に伝える必要があります。もし「申告漏れ」があると、「追加料金を請求された」「予定どおりに作業が進まない」など、トラブルの元になります。
このようなことを防ぐためには、「訪問見積もり」を依頼するのが肝心です。業者スタッフに荷物や建物周辺を直接確認してもらえば、あなたが細かく言わなくても、情報は正確に伝わるからです。
電話やインターネットから見積もりを取れるところもあります。しかし、この場合、情報が正確に伝わりにくいため、「トラックの大きさ」や「作業員の人数」が適切でないケースも考えられます。
そうなれば、本来より料金が高くなってしまう可能性があります。
したがって、「当日のトラブルを避ける」「引越し料金を安くする」という意味でも、「訪問見積もり」がオススメです。
なお、訪問見積もりの方法については、次の記事に詳しくまとめています。見積もりを依頼するまえに、ぜひ目を通しておいてください。
まとめ ~引越しの見積書は他社と比較するときの重要アイテム~
ここまで、引越しの見積書でチェックすべきポイントについて説明しました。
書類関係の説明ですから、少し難しかったかもしれません。
しかし、どれも基本的な項目だからこそ、しっかり確認しておくことが重要です。
見積書をチェックするのは、「追加請求」や「当日のトラブル」を避けるためです。
また、見積書は「他社と比較するときの最も重要なアイテム」にもなります。
見積書の内容をきちんと理解しておけば、他社の条件と比べるときに必ず役立つはずです。
なお、引越し業者の条件を比較したいときは、下記で紹介する「一括見積もりサービス」が便利です。
各社の料金やサービス内容をカンタンに比較でき、気になる業者からまとめて見積もりを取ることもできます。