マンション、アパートで一人暮らしを始めるとき、「やっぱり近所の人に挨拶はするべき?」と悩む人もいるのではないでしょうか。
基本的には、引越しの挨拶はしたほうが良いです。
隣にどのような人が住んでいるか分かれば、お互いが安心して生活できます。また、生活音や振動などで多少迷惑をかけたとしても、入居のときに挨拶をしておけば、問題にならずに済むことがあります。
ただし、引越しの挨拶回りをするときは、気をつけておきたい最低限のマナーがあります。近所の人にできるだけ好印象を持ってもらうためにも、挨拶のマナーや注意点について知っておくと良いです。
ここでは、引越し挨拶のルールについて詳しく解説します。とくに初めて一人暮らしをする人は、挨拶するべきか悩むと思います。以下の挨拶マナーを参考にして、できるだけ印象の良い挨拶を心がけましょう。
一人暮らしでも引越し挨拶は回ろう
家族での引越しの場合は、近所や地域とのつきあいが重要になるため、引越しの挨拶をする人が比較的多いです。
しかし、一人暮らしをする場合でも、引越しの挨拶はするべきです。
両隣の住人にとっては、どのような人が引越してきたのか気になるものです。もちろん、あなたも気になると思います。
ですから、挨拶をしておけば隣にどのような人が住んでいるのか分かるため、お互いが安心して生活できます。
また、相手に好印象を与えることができるので、その後の近所づきあいも良好になりやすいです。ですから、一人暮らしでも引越しの挨拶回りはしておきましょう。
マンション・アパートでは近所づきあいが少なくても挨拶するのがベター
正直、マンションやアパート内での近所づきあいはほとんどないかもしれません。
しかし、マンション、アパートは部屋同士がくっついているため、生活音や振動が伝わりやすいです。ちょっとしたことで両隣の人と揉めないためにも、新居に住み始めるときの挨拶は肝心です。
引越し挨拶の言葉
ただ、挨拶をするにしても、「何てしゃべればいいのか分からない」という人もいるかと思います。挨拶の仕方によっては、かえって不信感を与えてしまう場合もあります。ですから、できるだけ緊張しないように、あらかじめ挨拶の言葉を決めておくと良いです。
一般的な挨拶の言葉は、以下のとおりです。
「突然すみません、隣の○○号室に引越してきた△△と申します。これからご迷惑をかけることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」
このように丁寧な言葉で挨拶をしておけば、相手に悪い印象を与えることはないと思います。
ただ、こういった形式的な言葉が苦手な人は、以下のように少し短縮した言葉でも構いません。
「隣に引越してきた△△です。どうぞよろしくお願いいたします」
人によっては挨拶を望んでいない場合もありますから、できるだけ簡潔な言葉にすると良いです。
【引越し挨拶の失敗談】
私が20歳のころ、初めて一人暮らしをしたときのことです。
一応挨拶をしておこうと思い、近所でケーキを買って行きました。
引越しの挨拶は初めてのことですから、何を言えば良いのかも分からないですし、少し緊張していたのを覚えています。
隣は一人暮らしの女性でしたが、ドアは開けてくれました。
ただ、緊張していたせいか、挨拶の言葉が上手く出てこず、かえってお隣さんに少し警戒されてしまいました。
反対側のお隣さんにも挨拶用のケーキは買っていました。
しかし、「また警戒されてしまうかも」と不安になり、結局、挨拶には行かず、そのケーキを自分で食べる始末でした・・・。
こうして、私の初めての引越し挨拶は失敗に終わりました。
せっかく手土産を持っていっても、挨拶の態度や言葉によっては相手に不信感を与えてしまうことになります。
ですから、上記で紹介したような「挨拶の言葉」をあらかじめ決めておくことをおすすめします。そうすれば落ち着いて挨拶ができますし、相手にも良い印象を与えることができるはずです。
引越し挨拶の時間帯とタイミング
引越しの挨拶は、そこに「住み始めるタイミング」で行いましょう。入居当日、遅くとも2~3日以内には挨拶回りを済ませておくと良いです。
ついつい挨拶を後回しにして遅くなると、せっかく行っても、「今さら?」と印象を悪くしてしまうことも考えられます。
荷物を運び入れるときに通路でばったり会ったら、その場は軽くあいさつしておけば大丈夫です。「今日からここに住む」という状態になってから改めて挨拶に行ったほうが好印象です。
挨拶に伺うときは迷惑が掛からない時間帯を選ぼう
挨拶に伺うときの時間帯も大事です。挨拶をするのは「10~16時ごろ」の時間帯が適しています。当然ながら、早朝や深夜は迷惑がかかるので避けるべきです。
ただし、正午や17時以降ですと食事をしている可能性があるため、挨拶に行くのは避けたほうが良いです。生活リズムは人によって違いますが、常識の範囲内で考えるようにしましょう。
マンション・アパートで挨拶回りをする範囲
マンションやアパートに引越した場合、挨拶をするにしても、どこまでの範囲を回れば良いのでしょうか。
マンション、アパートの場合、挨拶をする範囲は、自分の部屋から見て「上下左右」の位置にあたる部屋です。
両隣の人は、生活音などで影響を与えたり、廊下で顔を合わせたりすることが多くなります。ですから、必ず挨拶はするべきです。
真上・真下の部屋にも挨拶はしておきましょう。顔を合わせる機会は少ないかもしれませんが、足音などの生活音でお互いに影響し合うからです。
一人暮らしが多いマンションやアパートの場合は、近所づきあいがほとんどないかもしれません。とはいえ、生活音などで、ある程度影響し合うことは避けられません。
しかし、はじめに挨拶をしておけば、多少のことならクレームに発展しにくくなります。ですから、最低限の範囲は挨拶回りをしておきましょう。
手土産は500~1,000円程度のお菓子が無難
挨拶のときに手土産を持っていくか悩みどころですが、やはり何かあったほうがベターです。
挨拶品として良く選ばれる物と金額は、以下のとおりです。
挨拶品として人気の高い物 | お菓子、洗剤、タオル |
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挨拶品の相場 | 500~1,000円程度 |
洗剤やタオルなどの日常品であれば、もらっても負担になりませんし、気兼ねなく使うことができます。
ただ、とくに女性の場合は、洗剤などの好みが分かれるため、物によっては迷惑になることも考えられます。タオルも意外ともらう機会が多いため、あまり喜ばれない可能性があります。
挨拶の手土産としてオススメなのが「焼き菓子」です。焼き菓子であれば日持ちしますし、迷惑に感じられることもありません。また、焼き菓子はバリエーションが豊富ですから、高価でなくても喜んでもらえると思います。
挨拶品を買うならネット通販が便利
引越しの挨拶品は、以下のようなところで購入できます。
百貨店 | 1,000円以下の商品が少ない |
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大型スーパー | |
ドラックストア | のし(熨斗)は自分で用意する必要がある |
ネット通販 | ラインナップが充実している |
上記の場所であれば、どこでも挨拶品を買うことはできます。
ただ、ネット通販で購入するのが一番簡単です。通販サイトであれば1,000円以内の商品でもラインナップが充実しているため、選びやすいと思います。「のし紙」もつけてもらえるので、引越し前の忙しい時期に手間を取られることもありません。
ただし、インターネットで挨拶品を購入した場合、商品が届くまで時間がかかります。ですから、余裕をもって早めに購入しておきましょう。
引越しの直前に用意するときは、近所のお店で探すのが無難です。
挨拶品には「外のし」をつけよう
挨拶品には「のし(熨斗)」をつけるのが一般的です。
表書きには「御挨拶」と入れ、下に名前(苗字)を書くようにしましょう。手渡しでギフトを贈るときは、外のし(包装紙の外にのし紙を貼ること)が適しています。
百貨店やスーパーはもちろんのこと、ネット通販でも「表書き」「名入れ」「外のし」などを細かく指定することができます。
挨拶に行っても不在だった場合はどうする?
人によって休日のサイクルや帰宅時間など、生活パターンはさまざまです。そのため、挨拶に行っても不在の場合があります。そういうときは、また改めて出直しましょう。
ただ、挨拶に行くのは2~3回程度に留めておきましょう。むやみに何度も訪ねるのは良くありません。相手が挨拶を望んでいないことも考えられます。
また、夜に働いている人であれば、日中は寝ている可能性もあります。ですから、2~3回訪ねても出ないようなら、挨拶するのはあきらめるのが無難です。
そのうち廊下ですれ違う機会があると思います。そのときは軽く挨拶をするくらいで大丈夫です。そこで丁寧に挨拶することもできますが、「きちんと挨拶できていない」ということを気にしすぎる必要はありません。
一人暮らしの女性は、防犯上のリスクを考えて引越し挨拶をしないのもアリ
一人暮らしの女性の場合は、引越しの挨拶をするかは慎重に検討しましょう。
挨拶に行くということは、「一人暮らしの女性です」と自らアピールしているようなものです。隣人も女性なら問題ありませんが、男性の場合は「防犯上のリスク」を考えなければいけません。
たとえば、挨拶に行くまえに、管理会社または大家さんに隣にどのような人が住んでいるのか聞いておくのも方法です。個人情報に当たらない範囲であれば、いろいろと教えてくれるかもしれません。
また、1人で挨拶に伺うのではなく、男性の家族や友人などに付き添ってもらうのも防犯としては効果的です。
挨拶回りをすることは大切ですが、防犯上の不安があれば「挨拶しない」のもありです。
一人暮らしの女性の防犯対策
ちなみに、「一人暮らしの女性」というのが分からないようにするためには、以下の方法が効果的です。
- 表札を男性名義にする
- ベランダに男性の衣類を干す
外から見て男性がいるように見せておけば、防犯として効果的です。どちらも手軽にできますから、不安な人はぜひ試してみてください。
大学生でも引越し挨拶はするべき?
大学の近くで一人暮らしを始める人もいるかと思います。
たとえ大学生でも、近所への挨拶回りはしておいたほうが良いです。サークルやバイトで夜中に出入りして、少しの音でも迷惑をかける可能性があるからです。
ですから、最初のうちに挨拶を済ませ、その後の関係を良好に保つように心がけましょう。
また、大学の近くに住むと、「隣も同じ大学生だった」というケースもあります。そこで挨拶をしておけば、近所づきあいが良好になることがあります。場合によっては、友人として付き合えるようになるかもしれません。
大学生とはいえ、引越しの挨拶に行くときは手土産を持っていくのがベターです。ただ高価なものは、かえって相手に気を遣わせることもあるので、手土産は500円程度で大丈夫です。
アパート・マンションの大家さんが建物内や近所に住んでいる場合は挨拶しておこう
なお、大家さんが同じ建物内や近所に住んでいる場合も、挨拶しておきましょう。
大家さんと良好な関係を築いておくと、近所のさまざまな情報を教えてくれるかもしれません。また、お隣さんや設備などのことでも相談しやすくなります。
ただ、その建物における窓口が管理会社になっており、大家さんとの関わりが直接ないようなところもあります。また、大家さんが近所に住んでいないケースもあります。そのような場合は、わざわざ大家さんに挨拶する必要はありません。
一人暮らしの引越し挨拶マナーと注意点
ここまで、引越し後の挨拶回りのマナーについて解説してきました。
賃貸マンション、アパートの場合は、直接的な「近所づきあい」はないかもしれません。しかし、住んでいれば廊下で顔を合わせる機会はあります。また、生活音や振動で、お互いに影響し合うことは少なからずあります。ですから、最初のうちに挨拶しておき、隣人と良好な関係を保てるように心がけることが大切です。
挨拶のときは、相手の生活リズムのことを考えた時間帯に伺うようにしましょう。その際は、500~1,000円程度の手土産を持っていくと相手に好印象を与えることができます。そうしておけば、生活音などで多少迷惑をかけても、クレームにまで発展しないケースが多いです。
ただし、一人暮らしの女性は、挨拶するかを慎重に検討しましょう。1人で挨拶に行くと「一人暮らしの女性」ということをアピールしているようなものですから、防犯上のリスクが高まります。
その場合は、「挨拶をしない」のもありです。挨拶するにしても、男性の家族や友人に付き添ってもうようにしてください。