引越しの際に、今まで使ってきたテレビが不要になったり、買い替えたりするケースもあるかと思います。
そのような場合、テレビをどのような方法で処分すれば良いのでしょうか。
たとえ不要なテレビでも、まだ使える場合はリサイクルショップで売ることを考えましょう。買い取ってもらえれば、いらいないテレビを現金化できる可能性があります。
しかし、売れないテレビは、「家電リサイクル法」に基づいて適切に処分する必要があります。
ここでは、テレビの正しい処分方法と、そのときにかかる費用について詳しく説明します。テレビは粗大ゴミとして捨てることはできないため、以下の内容をしっかり理解しておいてください。
テレビは粗大ゴミとして捨てれない理由
なぜテレビは粗大ゴミとして捨てれないのでしょうか。
理由は、テレビが「家電リサイクル法」の対象品だからです。
他にも、エアコンや冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、衣類乾燥機などがあります。これらの家電は、リサイクル法で定められた方法で処分しなければいけません。
家電リサイクル法とは
家電リサイクル法とは、「部品や材料の一部をリサイクルし、資源を有効活用するためのルール」のようなものです。この法律があることで、廃棄物を減らすことにもつながります。
したがって、テレビは粗大ゴミとして自治体に回収してもらうことはできません。
使えるテレビはリサイクルショップで買取に出す
前置きで、家電リサイクル法について解説しましたが、ここからはテレビの処分方法について説明します。
しかし、いらなくなったテレビとはいえ、まだ十分に使えるものもあるのではないでしょうか。ですから、「使えるテレビをわざわざ費用を負担して処分するのはもったいない」と感じる人もいるはず。
まだ使えるテレビを処分したいときは、まずリサイクルショップで査定してもらうべきです。買い取ってもらえれば、それに越したことはありません。
査定の結果次第で、処分方法を検討するのが賢明です。
できれば複数のリサイクルショップの買取価格を比較しよう
その際、できれば数店舗で査定してもらうことをオススメします。
同じテレビでも、お店によって買取価格に差が生じるからです。
たとえば、A店は1万円の買取り価格をつけても、B店では値段がつかないケースもあります。
ですから、テレビをリサイクルショップで売るときは、買取り価格を比べて損をしないようにすることが肝心です。
まずは電話で買取価格の概算を聞いてみる
ただ、車で何店舗も回り、テレビを持ち込んで査定してもらうのは大変です。また、主張査定を行っているリサイクルショップもありますが、何社も自宅に呼ぶのは面倒に感じると思います。
ですから、まずはリサイクルショップに電話をして、ある程度いくらで売れそうか聞いてみましょう。その上で、テレビが一番高く売れそうなリサイクルショップに買い取ってもらうと良いです。
テレビはまだ使えるわけですから、真っ先に処分することを考えるのではなく、まずはできるだけ高く売れるお店を探してみるべきです。
リサイクルショップを利用するときの注意点
ただし、リサイクルショップを利用する際は、次の点について注意してください。
- テレビが必ず売れるわけではない
- 出張査定を行っていないリサイクルショップもある
- 出張費や運搬費を別途請求されることがある
- 電話では概算を教えてくれない店舗もある
車を持っていない場合は、出張査定をしてくれるリサイクルショップを探してみましょう。
ただし、出張査定を依頼すると、出張費や運搬費がかかることもあります。ですから、それらの費用がかかるのか事前に確認しておいてください。
また、傷がついていたり故障していたりするテレビは売れないこともあります。ですから、リサイクルショップに電話をするときは、ある程度テレビの状態を伝えた上で、できるだけ正確な買取り価格(概算)を聞いておきましょう。
テレビの処分方法は4つ
しかし、残念ながら、すべてのテレビが売れるわけではありません。リサイクルショップで買い取ってもらえない場合は、テレビを家電リサイクル法で決められた方法で処分することになります。
具体的には、以下4つの方法があります。
テレビの適切な処分方法4つ
- 電気屋に引き取ってもらう
- 自分で指定引取場所に持ち込む
- 自治体が紹介する許可業者に収集を依頼する
- 引越し業者に処分を依頼する
これらがテレビの適切な処分方法になります。それぞれの具体的な方法については、下記で順に解説していきます。
1.テレビを電気屋に引き取ってもらう
テレビを処分するのに一番確実なのは、電気屋(家電量販店など)に引き取ってもらう方法です。
テレビを引き取ってもらえる電気屋はどこ?
買い替える場合 | テレビを新しく購入するお店 |
---|---|
処分のみの場合 | そのテレビを購入したお店 |
基本的には、このどちらかの電気屋で引き取ってもらうことができます。
しかし、購入元が分からなかったり遠方だったりする場合はどうすれば良いのでしょうか。
その場合も心配する必要はありません。依頼をすれば、「近くの電気屋」でも引き取ってもらうことは可能です。
テレビの回収を電気屋に予約するときの流れ
テレビの回収を電気屋にお願いする場合は、次のような流れになります。
回収予約の流れ
- 家電量販店のホームページからテレビ回収の予約をする
- リサイクル券が送られてくる
- リサイクル券に必要事項を記入する
- テレビを回収してもらい、代金を支払う
ただし、ホームページから予約する場合は、リサイクル券が届くまでに1週間程度かかります。そのため、テレビを引き取ってもらうまでにどうしても時間がかかってしまいます。
テレビの処分を急ぐ場合
引越しの都合などで早く回収してもらいたいときは、店頭で直接手続きするのがオススメです。そうすれば、その場でリサイクル券をもらえるため、受付が早く済み、結果的に回収も早まります。
なお、リサイクル券は郵便局でも購入できます。あらかじめリサイクル券を準備しておけば、回収もよりスムーズです。
2.自分でテレビを指定引取場所に持ち込む
「できるだけ処分費用を節約したい」という人は、自分でテレビを指定引取場所に持ち込み、処分を依頼する方法がオススメです。そうすれば、リサイクル料金だけの負担で済みます。
ただし、テレビを指定引取場所に持ち込むには、車が必要です。また、指定引取場所が必ずしも近くにあるとは限りません。
したがって、自家用車があり、指定引取場所が自宅から比較的近い場合は、「自分で持ち込む」のが最も有力です。
その場合の手順は、以下のとおりです。
テレビを指定引取場所に持ち込んで処分する場合の手順
テレビのサイズは、裏面または前面の角に書いてあります。たとえば、「型名 32AE1」のように書いてある場合は、「32型」のテレビということになります。
画面サイズはリサイクル券に記入する必要があるため、忘れずにチェックしておいてください。
郵便局に行き、リサイクル券に必要事項を記入します。その上で、リサイクル料金を支払い、リサイクル券を購入します。
なお、リサイクル券を郵便局で購入する際は、テレビ本体は必要ありません。
「使わなくなったテレビ」と「リサイクル券」を持って、最寄りの指定引取場所に行きます。テレビはそこで引き取ってもらえます。その際、リサイクル券の控えも忘れずに持って行きましょう。
※指定引取場所を調べる→一般財団法人「家電製品協会(RKC)」ホームページ
このように、「車を持っている」「テレビを自分で持ち運べる」という条件さえクリアできれば、自分でも簡単にテレビを処分できます。
ただ、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電もいっしょに処分する場合は、テレビも合わせて電気屋などに引き取ってもらったほうが効率的です。
3.自治体が紹介する許可業者にテレビの収集を依頼する
近くに回収を依頼できるような電気屋がない場合は、「許可業者」にテレビを回収してもらうのも一つの手段です。
ただし、許可業者は「住んでいる自治体に紹介してもらう」というのがポイントです。
本来、「一般廃棄物処理業」の許可を受けている業者しか収集は行えません。しかし、無許可で不用品回収をしている業者があるのも事実。
ですから、回収業者を利用する場合は、自治体から紹介してもらうのが確実です。
4.引越し業者にテレビの処分を依頼する
また、引越し業者のオプションサービスで不用品の回収を依頼することもできます。引越しの段取りを考えると、この方法が一番手っ取り早いです。
ただし、回収自体は別の専門業者に委託するケースも多いため、処分にかかる費用は割高になります。ですから、引越しまでに余裕がある人は、電気屋などに引き取ってもらうほうが良いです。
テレビはどうやって捨てるのがベスト?
ここまで、テレビの処分方法を4つ紹介してきました。それぞれの方法に適している人は、以下のとおりです。これを参考にして、あなたにとってベストな処分方法を検討してみてください。
処分方法 | 適している場合 |
1.電気屋に引き取ってもらう | テレビを買い替える 近くに家電量販店がある |
2.自分で指定引取場所に持ち込む | 車を持っている 処分費用を抑えたい テレビを自分で運べる |
3.自治体が紹介する許可業者に収集を依頼する | 近くに回収してくれる電気屋がない 回収業者のほうが電気屋より処分費用が安い |
4.引越し業者に処分を依頼する | 見積もりや料金の支払いなど、引越し前にできるだけ面倒は避けたい 引越しの手続きと一度で済ませたい |
処分費用が1番安いのは「2.自分で指定引取場所に持ち込む」方法です。ただ、どうしても手間がかかるので、そのことを考えると、「1.電気屋に引き取ってもらう」のが無難です。
しかし、電気屋の場合、予約が遅れると引越しまでに回収が間に合わないケースも考えられます。
その場合は、仕方ありませんが、「許可業者」もしくは「引越し業者」にテレビの引き取りをお願いしましょう。
テレビの処分費用は「リサイクル料金」と「収集・運搬料金」
ここからは、テレビ処分費用についての解説です。
テレビを処分するときは「リサイクル料金」と「収集・運搬料金」がかかります。それぞれの大よその相場は、以下のとおりです。
テレビの処分費用の相場
費用項目 | 料金相場 |
リサイクル料金 | 【画面サイズ15型以下】1,700円+税~ 【画面サイズ16型以上】2,700円+税~ |
収集・運搬料金 | 500~3,000円程度 |
リサイクル料金
「画面サイズ」や「メーカー」によって異なります。
収集運搬料金
回収をどこに依頼するかによって異なります。
テレビを買い替える場合は、新しく購入するお店に引き取ってもらうと割安になるケースが多いです。
一方、引越し業者は割高になりやすいです。
テレビのリサイクル料金は、回収先の業者によって変わることはありません。しかし、収集運搬料金は依頼先によって変わるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
ちなみに、自分で指定引取場所までテレビを運ぶ場合は、収集運搬料金はかからず、負担するのはリサイクル料金のみになります。
リサイクル券は郵便局で購入できる
ここまでの説明のとおり、テレビなど「家電リサイクル法の対象品」を処分するときはリサイクル料金がかかります。その費用負担をするために、「リサイクル券」を購入するのです。
ただ、電気屋や回収業者、引越し業者にテレビを引き取ってもらう場合は、業者のほうがリサイクル券を用意してくれます。ですから、「リサイクル料金と収集運搬料金の合計」を業者に支払えば、それでオッケーです。
リサイクル券を自分で購入する必要があるのは、テレビを指定引取場所に持ち込むときです。リサイクル券は「郵便局」で購入できます。
なお、リサイクル券を購入する際に、「テレビの画面サイズ」を記入しなければいけません。ですから、郵便局でリサイクル券を買うときは、画面サイズをあらかじめ確認するのを忘れないようにしましょう。
「無料回収」をうたっている違法業者に要注意!
インターネット広告やチラシ、街中の巡回などで、「不用品の無料回収」をうたっている業者を見かけます。しかし、このような無料回収業者のなかには、「無許可」で収集を行っているところがあります。
結論から言うと、これは違法になります。本来、テレビなどの処分が「無料」になることはあり得ません。
悪質な業者の場合、不用品からお金になる金属などを抜き取り、それ以外は「不法投棄」「不適切な処理・管理」などをしている可能性があります。
ですから間違っても、このような違法業者に回収を依頼しないように注意してください。見方によっては、あなたも不法投棄などに荷担したことになってしまいます。
まとめ
ここまでの説明で、不用になったテレビの処分方法について理解できたのではないでしょうか。
ただ不用といっても、まだ十分に使えるテレビもあるかと思います。ですから、まずはリサイクルショップで買い取ってもらうことを考えましょう。テレビの状態にもよりますが、現金化できればそれに越したことはありません。
買い取ってもらえないテレビは、電気屋や許可業者、引越し業者に処分をお願いしましょう。また、自家用車があれば、自分で処分するのも賢い方法です。
なお、処分の手配をする余裕がない場合は、引越し業者に引き取ってもらうのが最も確実です。
引越しのタイミングで回収してくれるので、正直に言って楽です。
ただし、回収料金は引越し業者によって差が生じます。
もし引越し業者に不用品の引き取りをお願いするときは、必ず複数社から見積もりを取るようにしましょう。