部屋探しを始める際、以下のような疑問が出てくるかと思います。
- 「部屋探しは何から始めたらいい?」
- 「インターネットで部屋を探しておくべき?」
- 「内見の予約は必要なの?」
このように、部屋探しの段取りに不安を感じている人もいるはずです。
あなたが納得できる物件を見つけるには、部屋探しの手順を心得ておく必要があります。なぜなら、部屋探しで失敗しないためには、段取りこそが重要だからです。
そこでこのページでは、私が経験上でオススメしたい「部屋探しの手順」について紹介します。
納得いく部屋探しの手順は7ステップ
部屋探しの流れをシンプルに考えると、「部屋を見て、選ぶ」これだけです。
ただ闇雲に探しても手間と時間がかかってしまうだけですし、あなたの希望にピッタリの部屋は見つかりません。それだけではなく、「あっちの部屋のほうが良かった・・・」と後悔することもあります。
ですから、部屋探しで失敗しないためにも、段取りをしっかり理解しておくことは重要です。
具体的なステップは、以下のとおりです。
部屋探しの手順は7ステップ
- 部屋、物件の希望条件を決める
- インターネットで部屋の候補をピックアップする
- 住みたいエリアにある不動産会社を3社ほど選ぶ
- 不動産会社に連絡をして相談の予約をする
- 不動産会社に行って物件を紹介してもらう
- 気になる物件をすべて内見する
- 条件をじっくり比較して部屋を決定する
このステップは、私が部屋探しを経験してきたなかで、「納得のいく物件を効率よく探せたベストな手順」になります。これと言って特別なステップはありませんが、部屋探しには欠かせない行程ばかりです。
「この手順でなければ入居できない」というわけではありませんが、ぜひ参考にしてほしいと思います。
ここからは、それぞれのステップごとに詳しく説明します。
1.部屋・物件の希望条件を決める
まずは、あなたの希望する条件がハッキリしないことには、部屋を探しようがありません。希望する条件としては、以下のようなポイントを決めておきましょう。
場所
住みたい場所、通勤・通学に都合のよい場所など、あなたの生活スタイルに合ったエリアをいくつか候補に挙げておきます。また、スーパー、薬局、コンビニ、病院など、周辺にある施設にも注目しておくと良いです。
家賃
家賃の目安は「月収の3割程度」と言われています。たとえば、月収30万円の人であれば、家賃は9万円までに抑えておくと良いです。それより家賃が高くなると、他のところで節約を強いられる可能性があります。
あくまでも目安ですから、家賃が月収の3割以下のところでも何ら問題はありません。
間取り
基本的に、部屋が広いと家賃も高くなります。ですから、家具などの配置も含めて、あなたがどれくらいの広さを求めるのか、ある程度決めておく必要があります。
設備
設備もこだわりだしたら切りがありませんが、エアコンやコンロ、浴室空調、オートロックなど、「これは外せない」というポイントは自分のなかで決めておくと良いです。
築年数
築年数はその物件の印象やキレイさに大きく影響するため、意外と重要なポイントです。新築にこだわるのか、または築10年でも家賃が安いほうが良いのか、ある程度の希望は答えられるようにしておきましょう。
大まかには、これらのポイントにおいて、あなたの希望条件を決めておきましょう。
ただし、あまりにもこだわり過ぎると、候補となる物件が少なくなってしまいます。それよりは、希望条件をある程度少なくしておき、できるだけ多くの候補から選ぶほうが確実です。
2.インターネットで物件の候補をピックアップする
さらに、その条件をもとにインターネットで物件を探してみましょう。
物件情報が見れるサイトはいくつかありますが、有名サイトを2つほど絞って探せば問題ありません。
たとえば、以下のような有名サイトがあります。
- SUUMO(スーモ)
- HOME’S(ホームズ)
- 良い部屋ネット(大東建託)
- CHINTAI(チンタイ)
- アパマンショップ
- minimini(ミニミニ)
ネット上の物件情報は共有されていることが多いため、あまり多くのサイトに手を出しても時間がかかるだけです。
インターネットで物件を探しているうちに、希望条件が絞れてきたり、家賃の相場なども分かってきます。
その際、気になる物件があれば、ブックマークやメモなどで保存しておきます。
さらに、その情報を提供している不動産会社もチェックしておいてください。
ただ、インターネットだけで住みたい部屋を決めるわけではありません。
ウェブ上に公開されていない物件などもあるので、「不動産会社から紹介してもらう物件」と「インターネットで探した物件」を合わせた候補から探すようにしましょう。
3.住みたいエリアにある不動産会社を3社ほど選ぶ
実際に相談しに行く不動産会社を3社ほど探します。
インターネットで
- 「最寄りの駅+不動産会社」
- 「住みたいエリア+不動産会社」
などのキーワードで検索すれば、いくつか候補が出てくると思います。インターネットでチェックした不動産会社も候補に入れておいても良いです。
ただ、前述のとおり、物件情報というのは、不動産会社やサイト間で共有されている部分が多いです。ですから、大手の不動産会社であれば、「インターネットで探した気になる物件」の情報を持っている可能性があります。
したがって、不動産会社を選ぶときは、名前を聞いたことがある「大手」にするのが無難です。そのほうが、名前の聞いたことない不動産会社よりは情報量も多いですし、安心できると思います。
4.不動産会社に連絡をして相談の予約をする
そうしたら、選んだ不動産会社に連絡をして相談の予約をします。インターネットに載っている情報がすべてではないので、必ず不動産会社に直接行って相談に乗ってもらいましょう。
「アポイントなし」で行っても良いですが、営業マンのスケジュールの関係で、じっくり対応してもらえない場合があります。ですから、事前に予約をしてから不動産会社を訪問するのがオススメです。
5.不動産会社に行って物件を紹介してもらう
不動産会社に行ったら、あなたが希望する条件を伝え、候補となる物件をいくつか紹介してもらいます。そのときに、「インターネットで探した気になる物件」のことも伝え、その情報があるか聞いてみましょう。
大きな地図を借りて、物件の場所がどの辺りにあるのかもチェックしておくと良いです。さらに、「部屋の設備」「家賃・共益費」「初期費用」なども合わせて確認しておく必要があります。
もし紹介してもらえる物件が少なければ、希望する条件が相場にあっていない可能性があります。その場合は、少し条件を緩めて、候補となる物件を増やしておきましょう。そのなかから、「実際に見てみたい物件」と「選ぶ可能性のない物件」を振り分けます。
気になる物件がある程度絞れたら、その場で内見(部屋を見学すること)の予約も済ませておきましょう。
6.気になる物件をすべて内見する
「百聞は一見に如かず」というように、部屋は実際に見てみるのが一番です。書面の情報だとすごく良く感じた物件でも、「実際に見てみると印象が違った」というケースは良くあります。ですから、物件は必ず直接見てから決めるようにしてください。
担当者のスケジュールが空いていれば、相談初日に内見することも可能です。ただ、1日で候補の物件すべて回るのは大変ですから、別日で内見するための時間をつくることになると思います。
1日で複数の不動産会社を回る場合は、内見の時間も考えながらスケジュールを立てるようにしましょう。
なお、内見の際は、部屋の設備やデザインだけではなく、生活する上で「大きな影響を与えるポイント」にも注目するべきです。
具体的には、以下のようなポイントです。
内見の際にチェックするのを忘れがちなポイント
- 日当たり(洗濯物干しや室内の明るさに影響する)
- 周りの騒音(車や列車、人通りなど、時間帯によっても異なる)
- 壁の厚さ(コンコンと叩いて壁の厚さや密度を感覚でチェック)
- 湿気、臭い(周りを建物に囲まれた物件、川沿いの物件などは要注意)
- 室内の電波状況(周りを建物に囲まれた環境は街中でも電波が悪いことがある)
- 面する通りの広さや明るさ(防犯のため)
- ドアや通路の幅(家財の搬入が可能か)
- コンセントの位置(家具などのレイアウトを左右する)
- ゴミ捨て場(敷地内にない場合は要チェック)
これらのポイントは、生活への影響が非常に大きいです。しかし、内見の際に意外とチェックし忘れてしまうポイントでもありますから、必ず確認するようにしてください。
なお、内見のポイントについては、次の記事でさらに詳しく解説しています。
7.条件をじっくり比較して部屋を決定する
物件を選ぶときは、候補が多いほど悩みます。
自宅でじっくり物件を比較するために、内見のときに室内の写真をスマホなどで撮っておくと良いです。頭に記憶した情報だけを頼りにすると、別の部屋の情報と間違ってしまうことも考えられます。ですから、候補が多い場合は、室内の様子を写真に撮っておき、あとから思い出せるようにしておくことが肝心です。
あとは、候補のなかから一番気に入った物件を選ぶだけです。決め手となるのは、「間取りや設備」「家賃などの費用」「場所」などではないでしょうか。
家賃が同じでも物件によって初期費用は変わりますから、もろもろの条件をしっかり比較しましょう。
以上が部屋探しの手順になります。それでは、部屋探しの流れについてのポイントをまとめます。
部屋探しの手順におけるポイント
- 希望条件を絞りすぎないで、できるだけ多くの候補物件から選ぶ
- ウェブ上の物件情報は不動産会社にもあるため、最終的には不動産会社で紹介してもらう
- 不動産会社を3社程度は回って物件の紹介を受ける
- 気になる物件はすべて見学する
- 費用(家賃、初期費用、退去費用)も含めて条件をじっくり比較する
なお、部屋を借りる際の「初期費用」は、一人暮らしでも結構高くなります。初期費用の相場は、20~40万円程度です。
「そんな大金いきなり用意できない!」という人もいるかもしれません。
部屋探しはいつから始める?部屋探しのスケジュール
部屋探しを始めるタイミングも悩みどころです。部屋を探し始めてから実際に入居するまでの期間は「早ければ1ヵ月以内」ですが「遅いと3ヵ月程度」かかる場合もあります。
ちなみに、部屋探しから入居までの流れは、以下の図のとおりです。
部屋探し~入居までの流れ
どこの物件に入居するのか決断が早かったり、契約までがスムーズに進んだりすると、1ヵ月ほどで入居することは可能です。
しかし、以下のような理由で、入居までに3ヵ月ほどかかるケースもあります。
- 部屋がなかなか決まらない
- 入居書類を用意するのに時間がかかる
- 審査が長引く
早い段階で引越しが決まっている人は、余裕を持って部屋探しを進めると良いです。そうすれば、「引越しのギリギリになっても部屋が見つからない」という事態は避けれます。また、それぞれの部屋の条件をしっかり比較できるため、後悔することも少ないと思います。
部屋を決めるタイミングも重要
ただ、あまりにも早い段階で新居が決まってしまった場合、不動産会社または大家さんから「1ヵ月先には入居してください」と求められることがあります。
そうした場合、予定していた引越し時期を早めなければいけなくなる可能性があります。あるいは、求められた時期に入居できなくても、その部屋を押さえるために住む前から家賃が発生するケースもあります。
つまり、部屋を決めるのが早すぎても問題なのです。
部屋探しを始めるタイミングは2ヵ月前が目安
したがって、私の経験上、「引越し予定時期の2ヵ月ほど前」から部屋探しを始めるのがベストです。
そうすれば、どの部屋にするのかをしっかり検討することができますし、ギリギリまで部屋が決まらないという事態も避けられるはずです。
ただし、転勤などで急に引越しが決まった人は別です。そのような場合は、有無もいわずにすぐ新居を探し始めましょう。引越しするタイミングによっては物件の候補が少ないかもしれませんが、ある程度の妥協は仕方ありません。それよりも最優先で新居を確保することのほうが重要です。
部屋探しの手順・入居契約までの8ステップを印刷用にPDFファイルにまとめました。
ここまで、物件探しから入居契約の流れを解説しました。
少しボリュームが多くなったので、わかりやすいPDFファイルにまとめてみました。ぜひ印刷して、部屋探しの際に役立てていただければと思います。
失敗しない部屋探しのコツ!【部屋探しの手順】【入居契約の流れ】pdf(印刷用)
物件が決まったら、引越見積もりも早めに依頼しよう!
ここまで、部屋探しの手順について詳しく解説してきました。
部屋探しはその後の生活に大きく影響するため、抜かりなく進めたいものです。ただ、何となくインターネットで物件を探していても、納得のいくところは見つりません。
上記で説明した手順を参考にして、一度、自分で部屋探しのスケジュールを立ててみてください。そうすれば頭の中も整理できて、部屋を探すために何をしなければいけないのかが見えてくると思います。
物件探しで最も重要なポイントは、「部屋を直接見て確認すること」です。「百聞は一見に如かず」というように、書面上だけでなく、実際に目で見ることが何よりも肝心です。
「実際に見てみたら印象と違った」ということは良くあります。ですから、内見のスケジュールもしっかり組み込むことをおすすめします。そうすれば、あなたが納得できる部屋がきっと見つかるはずです。
引越し先の物件が決まったら、引越業者の予約も早めに取っておきましょうね。
引越し料金は業者によって全然違うので、複数社から見積もりを取り、じっくり比較したうえで選ぶことが重要です。そうすれば、引越し料金を数万円も節約できます。