引越し料金は、主に「荷物量」「移動距離」によって決まります。そのため、長距離引越しの場合、「費用が高くなってしまうのでは?」と心配する人もいるのではないでしょうか。
長距離引越しでネックになるのが、何といっても「荷物の輸送費」です。これが高額料金になる要因です。ですから、長距離引越しの料金を安くしようと考えた場合、「いかに安い方法で輸送するか」がポイントになります。
そこで今回は、長距離引越しが安くなる輸送プランを紹介します。さらに、長距離引越しをできるだけ安い料金で行ってくれる業者の探し方についても紹介します。長距離の引越しになる人は、ぜひ参考にしてください。
長距離の引越し費用が高額になる理由
基本的に、引越し料金は以下の4項目から構成されています。
引越し料金の内訳
- 基本運賃(距離や時間によって決められた運賃)
- 実費(人件費、梱包資材費、高速道路料金など)
- 割増料金(休日割増し、時間帯割増しなど)
- オプションサービス料金(エアコンの付け外し、荷物の梱包、ハウスクリーニングなど)
とくに長距離引越しの場合は、「基本運賃」「トラックのチャーター料金」「ガソリン代」「人件費」「高速道路料金」など、通常の引越しに比べて負担が増えます。そのため、長距離引越しの料金がどうしても高くなってしまうのです。
国土交通省が定める基本運賃一例(長距離引越しの場合)
ちなみに、「基本運賃」は移動距離とトラックの大きさによって決まっています。国土交通省は以下のように基本運賃を定めています。
【1トン~2トン車の場合】
輸送距離 | 上限 | 下限 |
101km~110km | 37,560円 | 25,040円 |
141km~150km | 43,850円 | 29,230円 |
191km~200km | 51,720円 | 34,480円 |
201km~500km(20kmを増すごとに) | +2,760円 | +1,840円 |
501km~(50kmを増すごとに) | +6,940円 | +4,620円 |
【3トン~4トン車の場合】
輸送距離 | 上限 | 下限 |
101km~110km | 42,740円 | 28,500円 |
141km~150km | 49,940円 | 33,300円 |
191km~200km | 58,910円 | 39,270円 |
201km~500km(20kmを増すごとに) | +3,160円 | +2,100円 |
501km~(50kmを増すごとに) | +7,870円 | +5,250円 |
【5トン~6トン車の場合】
輸送距離 | 上限 | 下限 |
101km~110km | 51,970円 | 34,650円 |
141km~150km | 60,720円 | 40,480円 |
191km~200km | 71,620円 | 47,740円 |
201km~500km(20kmを増すごとに) | +3,860円 | +2,580円 |
501km~(50kmを増すごとに) | +9,640円 | +6,420円 |
この表のとおり、基本運賃は距離が長くなるほど高くなります。ですから、長距離引越しの場合、「料金が高くなるのは当たり前」といってしまえばそれまでです。
しかし、引越し先を変えるわけにもいきません。ですから、その条件下でいかに安く引っ越すかが重要になります。
長距離引越しの料金相場【単身・家族別】
上記では、長距離引越しにおける基本運賃を紹介しました。しかし、結局のところ、引越し料金がいくらなのかが気になるのではないでしょうか。
ここでは、長距離引越しの料金相場を紹介します。なお、下記の相場表は、近隣地方(300km程度)と遠距離地方(500km程度)の場合に分けています。また、時期や世帯人数によっても分かれています。あなたの該当するところをチェックしましょう。
近隣地方に引越しするときの料金相場(通常期と繁忙期の比較)
※近隣地方(200~500km程度) 目安:名古屋~東京(約300km)
料金相場 | ||
通常期(5~2月) | 繁忙期(3~4月) | |
一人暮らし | 53,000円 | 91,000円 |
2人家族 | 103,000円 | 137,000円 |
3人家族 | 136,000円 | 176,000円 |
4人家族 | 171,000円 | 231,000円 |
5人家族 | 229,000円 | 314,000円 |
遠距離地方に引越しするときの料金相場(通常期と繁忙期の比較)
※遠距離地方(500km以上) 目安:大阪~東京(約500km)
料金相場 | ||
通常期(5~2月) | 繁忙期(3~4月) | |
一人暮らし | 61,000円 | 111,000円 |
2人家族 | 152,000円 | 200,000円 |
3人家族 | 185,000円 | 265,000円 |
4人家族 | 228,000円 | 298,000円 |
5人家族 | 330,000円 | 370,000円 |
このように、引越し料金は「移動距離」「荷物量(世帯人数)」「時期」によって異なります。いずれにしても、長距離の引越しは高額になることが理解できたかと思います。
長距離の引越し料金が安いおすすめ輸送プラン
とはいうものの、移動距離が長いからといって、引越し先を変えるわけにはいきません。また、仕事や学校などの都合で引っ越す場合は、時期も調整できないことがほとんどです。荷物も大量に捨てないかぎり、それほど量は変わりません。
したがって、長距離引越しを安くするには、それ以外の方法を検討する必要があります。
前述のとおり、料金内訳のかなでも大きなウェイトを占めているのが「運賃」です。ですから、いかに安い輸送方法で引っ越すかがポイントになります。
そこで、長距離引越しの人にオススメしたい「5つの輸送プラン」を紹介します。それぞれにメリット・デメリットはありますが、費用をできるだけ安く抑えたい人は、ぜひ検討してみてください。
複数人の荷物をまとめて輸送する「混載便」
混載便とは、「1台のトラックに複数人の荷物をあわせて積み込み、同じ地方へ輸送するプランのこと」です。
一般的な引越しプランは、1件あたり1台のトラックをチャーターします。しかし、混在便であれば「運転手の人件費」「トラックのチャーター料金」「ガソリン代」「交通費」などを複数人で負担するため、その分、費用を安く抑えることができます。
【混載便のメリット・デメリット】
メリット
- 引越し料金が安くなる
デメリット
- 荷物の到着日時を指定できない
- 混載便を希望する人の荷物をすべて積んでから移動するため、輸送に時間がかかる
- 同一地方に引っ越す人で、かつ混載便を希望する人がいなければ混載便は成立しない
- 複数人の荷物を同じトラックに積み込むため、荷物が紛失する可能性がある
同じような条件を希望する人がほかにいないと、混載便は成立しないのがデメリットです。ですから、混載便は必ず利用できるとは限りません。
また、「荷物の到着日時を指定できない」というのも大きなデメリットです。そのため、「タイミング良く混載便を希望する人がいた」「引越しスケジュールに余裕がある」という人以外が利用するのは難しいかもしれません。
ただ、こういうプランがあるということは覚えておきましょう。混載便を利用すれば、料金は確実に安くなります。
列車で長距離輸送する「コンテナ便」
コンテナ便とは、「貨物用のコンテナに荷物を積み、列車で長距離移動するプランのこと」です。
【コンテナ便のメリット・デメリット】
メリット
- 交通状況に影響されにくい
- トラック輸送に比べて人件費や燃料費が抑えられるため、料金が安くなる
デメリット
- 途中の駅で荷物の積み下ろしが繰り返されるため、到着まで日数がかかる
コンテナ便の場合、荷物の搬入・搬出はトラックで行います。しかし、長距離移動のほとんどをコンテナ列車で行うため、費用を安く抑えることができます。
ただし、コンテナ列車は他にもたくさんの荷物を運んでいるため、何回か途中で積み下ろし作業があります。そのため、新居へ荷物が到着するのに、どうしても日数がかかってしまいます。輸送にかかるに数の目安は、「2~3日程度」です。
引越しのスケジュールに余裕のある人は、コンテナ便がオススメです。ただし、「コンテナ便」を利用できる引越し業者は限られます。詳しくは、見積もりの際に確認するようにしてください。
空きトラックを利用した「帰り便」
引越し作業を終えると、トラックの荷台は「空の状態」で支店に戻ることになります。その空きを利用して引っ越すのが「帰り便」です。
つまり、通常ならトラックが空のまま帰るところを、そこに荷物を積んでもらえるプランになります。
【帰り便のメリット・デメリット】
メリット
- 運賃、運転手の人件費、交通費などが片道分で済む
デメリット
- 日時を指定できない
- 「業者が戻る支店」と「あなたの引越し先」が同じ地域でなければ利用できない
- 荷物の量がトラックのサイズを上回った場合は利用できない
「帰り便」も料金が安くなるというメリットがあります。
しかし、「作業を終えたトラックが戻る先」と「あなたの引越し先」が同じ地域でなければ、帰り便は成立しません。そのため、引越しのスケジュールは業者の都合に合わせることになります。
さらに、「荷物量」も重要です。せっかく同じ地域に向かうトラックが見つかっても、そのトラックがあなたの荷物を積み込めるだけのサイズでなければいけません。
したがって、「帰り便」を利用するためには、日程と荷物量、目的地が一致することが条件になります。
宅配便感覚の「単身パック」
単身パックとは、「専用ボックスに載せた複数人の荷物を1台のトラックで輸送するプランのこと」です。わかりやすく言うと、「宅配便感覚」の引越しプランです。
【単身パックのメリット・デメリット】
メリット
- 複数人の荷物を同時に運ぶため、費用が安くなる
- 荷物の少ない単身の人は気軽に利用できる
デメリット
- 荷物が多い単身・家族には適していない
単身パックの料金は、ボックスの数やサイズ、移動距離によって決まります。「荷物が少ない人」にとって単身パックは最適なプランです。
しかし、荷物が多い場合は、単身パックが利用できないこともあります。複数の専用ボックスに積むこともできますが、かえって料金が高くなってしまうケースも考えられます。
つまり、単身パックが適しているかどうかは「荷物量」によります。検討する場合は、まず見積もりを取ってから判断するようにしましょう。
料金より時間重視の「チャーター便」
長距離引越しは、料金が高くなるだけでなく、移動日数も長くなります。そこで、「できるだけ早く引越したい」という人にはチャーター便がオススメです。
【チャーター便のメリット・デメリット】
【チャーター便のメリット・デメリット】
メリット
- 日時を指定できる
- 荷物の到着が早い
- 他の人の荷物と混ざってしまう心配がない
デメリット
- 料金が高い
「チャーター便」は「混載便」とは違い、トラックを自分専用でチャーターすることになります。荷物を新居へ直送するため、輸送時間は最も短くなります。また、荷物の到着日時を指定できるのも嬉しいメリットです。
しかし、チャーター便は「到着の早さを売りにしたプラン」です。
そのため、「混載便」や「コンテナ便」に比べて、チャーター便の料金は高いです。
したがって、チャーター便は、「料金の安さ」より「早さ」を重視する人におすすめのプランになります。
どのプランも長距離引越し向けではありますが、やはり条件などのデメリットが気になります。また、各社によってプランの特徴は異なるため、最適なプランを選ぶのが難しく感じる人もいるのではないでしょうか。
そこで以下では、「お得な業者の見つけ方」について説明します。
【超重要】長距離引越しの料金が安いオススメ業者はどこ?
引越し業者は、それぞれで「長距離引越しにお得なプラン」を提案しています。ただ、引越しを依頼する人からすると、「結局、どこの業者に依頼すれば安くなるの?」と悩みの種にもなります。
ネット上の情報を見れば、ある程度のプラン内容は把握できます。しかし、引越し料金はそれぞれの条件によって異なるため、各社のホームページを見ても料金までは載っていません。
したがって、引越し料金を知るには、「見積もりを取る」のが最も確実な方法です。
さらに、一番条件のいい業者を探すには、複数社の見積もりを比較するのが肝心です。
しかしながら、長距離引越しの場合は、数ある引越し業者のなかから、どこへ見積もりを依頼するべきでしょうか。
正直なところ、引越し業者によって、長距離引越しが得意なところもあれば、苦手にしているところもあります。したがって、「長距離引越しが得意な業者」から、効率よく見積もりを集めることが重要になります。
果たして、そんな都合のいい方法があるのでしょうか。
安い引越し業者を探すなら一括見積もりは必須
そこで、便利なのが「一括見積もりサービス」です。
全国にはたくさん引越し業者がありますが、一括見積もりサービスを利用すれば、あなたの条件に合った業者を簡単にピックアップできます。つまり、「長距離引越しが得意な業者」をすぐに見つけられます。
さらに、各社への見積もりをまとめて依頼できるため、料金やサービス内容などの条件を比較しやすいのが特徴です。
長距離引越しの場合、各社の料金を比べてみると、10万円以上の差が生じるケースは良くあります。ですから、引越し業者を選ぶ際は、複数社の見積もりを必ず比較するべきです。
一括見積もりは、「引越し業者の見積もりをカンタンに比較するためのサービス」です。無料のサービスなので、使わない手はないと思います。
まとめ
長距離引越しの場合、料金が高くなってしまうのは「必然」と言えるかもしれません。しかしながら、そのかなでもお得なプランを検討することで、費用を抑えることは可能です。
とくに、引越し業者による料金の差は大きいです。各社の料金を比べると、10万円以上の差が生じることは良くあります。ですから、必ず複数社から積みもりを取り、そのうえで条件を比較するのが肝心です。
その際は、一括見積もりサービスを使うのが得策です。できるだけ効率よく各社の見積もりを比較できます。ぜひ気軽に試してみてください。