【保険者区分別】引越し時の国民年金・厚生年金の住所変更手続きと必要書類

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引越しをすると、住所変更など、何かと必要な手続きがたくさんあります。もちろん、年金においても、住所変更の手続きが必要になります。

ただ、「年金の手続きはどうやるの?」「扶養になっている場合、手続きは必要?」など、立場に応じてさまざまな疑問が出てくるかと思います。

年金の住所変更手続きは、「国民年金」か「厚生年金」のどちらに加入しているかによって異なります。

また、転職、就職、退職などで引っ越す場合、それぞれどのような手続きが必要になるのかも理解しておかなければいけません。さらに、結婚している場合は、扶養者の手続きについても知っておく必要があります。

このように、引越しにともなう年金の手続きは、その立場によって異なります。

そこでこのページでは、引越しにともなう「年金の住所変更」について、それぞれのケースごとに詳しく説明します。まずは、あなたがどのパターンに該当するのかを理解し、その上で参考にしていただければと思います。

目次

年金とは?国民年金と厚生年金の違いを理解する

はじめに、年金の基礎について理解しておきましょう。

年金と聞くと、「老後の備え」というイメージがあると思います。しかし、それだけではなく、年金には大きく3つの役割があります。

年金の役割内容
老齢年金老後、毎月お金が給付される制度
障害年金病気やケガなどの後遺症で障害が残ってしまった場合の補償制度
遺族年金国民年金の加入者が死亡した場合、遺族に毎月お金が支給される制度

このように、国民年金は「何か起こったときや将来の生活を守るための重要な制度」になります。

国民年金の登録情報を変更しておかないと、いざというときに支給されるまで時間がかかってしまうことも考えられます。そのような辛い思いをしないためにも、引越したら必ず「国民年金の住所変更」をしておきましょう。

国民年金と厚生年金の違い

それでは、「国民年金」と「厚生年金」では何が違うのでしょうか。一般的には、以下のようなイメージがあると思います。

  • 自営業の人は「国民年金」
  • 会社員は「厚生年金」

ただ、実はどちらも「国民年金の加入者」であることに変わりはありません。厚生年金と聞くと全く別もののように思えますが、厚生年金に加入していれば国民年金にも加入していることになるのです。つまり、年金保険料を支払っている人はすべて「国民年金の加入者」です。

■国民年金とは

日本に住んでいる20歳以上~60歳未満の人はすべて国民年金に加入することになっています。そのため、「基礎年金」とも言われます。満期は40年になりますが、加入期間が短ければ給付される額は減るシステムになっています。

■厚生年金とは

会社に勤めている人は「厚生年金」に加入していると思います。厚生年金とは、「国民年金(基礎年金)に上乗せされている制度」のようなものです。

つまり、「保険料を多く支払った分、給付される額も多くなるシステム」です。

厚生年金の保険料は、その人の収入によって変わります。ただ、保険料の半分は事業主が負担することになっています。ですから、実際に納付されている保険料は「給与から引かれている額の2倍」ということになります。

どのような立場でも、国民年金に加入していることに変わりはありません。ただ、厚生年金の場合は、保険料を上乗せしている分、補償は手厚くなります。

国民年金の引越し手続きは保険者区分ごとに異なる

国民年金の住所変更について説明するまえに、あなたがどの保険者区分に該当するか理解しておきましょう。

国民年金に加入している人を「被保険者」といい、被保険者は「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」の3つに分かれています。

第1号被保険者

自営業をしている人と家族、学生、無職の人などが「第1号」に当たります。また、第2、3号でない人もすべて「第1号被保険者」になります。

第2号被保険者

会社員、公務員など、厚生年金や共済年金に加入している人は「第2号」となります。

第3号被保険者

第2号被保険者に扶養されている20歳以上~60歳未満の配偶者で、年収が130万円未満の人が「第3号」となります。

第1号被保険者は、引越し先の役所で「国民年金の住所変更」をすることになります。第2、3号被保険者は、勤め先で手続きをすることになりますが、ほとんど手間はかかりません。

それぞれの手続きについて、以下で詳しく説明します。

【第1号被保険者】国民年金の引越し手続きと必要書類

ここでは、第1号被保険者(厚生年金に加入していない人)が引越したとき場合の手続きについて説明します。

【国民年金の住所変更におけるポイント】

  • 引越し前の手続きはない
  • 引越し後、新しく住む地域の役所で「国民年金の住所変更」を行う
  • 手続きの期間は、「引越した日から14日以内」
  • 転入届の期限と同じため、同時に済ませておくと良い

なお、同じ市区町村内に引越した場合でも、「国民年金の住所変更」は必要になります。この場合、引越したあとに「転居届」を提出するため、そのとき一緒に手続きを済ませましょう。

国民年金の住所変更には、以下の書類が必要になります。

【国民年金の住所変更に必要な書類】

本人が申請する場合

  • 被保険者住所変更届(これは役所で手に入ります)
  • 年金手帳
  • 印鑑
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)

代理人が申請する場合

  • 被保険者住所変更届
  • 委任状(本人の署名・押印が必要)
  • 年金手帳
  • 代理人の本人確認書類
  • 代理人の印鑑

これらの書類を用意すれば、国民年金の手続きはすぐに終わります。

本人が役所に行けないときは、委任状を用意すれば代理人でも手続きが可能です。また、自治体によっては、「住民票の住所変更(転入・転居届)」といっしょに「国民年金の住所変更」を行ってくれるところもあります。

【第2・3号被保険者】厚生年金の引越し手続き

ここでは、第2、3号被保険者が引越したときの手続きについて説明します。

会社などで厚生年金に加入している人は、「役所」ではなく「会社」で住所変更の手続きを行います。扶養者がいる場合でも、会社が同時に処理をしてくれます。

厚生年金の住所変更は、とても簡単です。会社の人事担当または上司に引越したことを伝え、「被保険者住所変更届」に記入するだけです。変更届は会社が用意してくれるはずです。

ただ、印鑑を押すことになるため、書類を一度持って帰るか、印鑑を持っていく必要はあります。あとは、会社が年金機構への手続きを行ってくれます。したがって、第3号被保険者(第2号の扶養者)は、とくに何もする必要はありません。

なお、年金手帳の書き換えなどは必要ないため、手帳の提出を求められることはないと思います。

就職にともなう引越しの年金手続き

就職のために引越しをする人もいるかと思います。20歳以上の場合、それまで加入していた国民年金はどう処理するのでしょうか。

「国民年金」から「厚生年金」に切り替える場合、役所で行うことはありません。就職先の会社で厚生年金への加入手続きをすれば、あとは会社が切り替えを行ってくれます。

なお、就職先の職場で厚生年金へ加入するときには、以下の書類が必要になります。

新たに厚生年金へ加入するときの必要書類

  • 厚生年金保険被保険者資格取得届(会社が用意してくれます)
  • 年金手帳
  • 印鑑

これらの書類を会社に提出すれば、厚生年金へ加入することができます。なお、配偶者(扶養者)がいる場合は、以下の書類も必要になります。

配偶者がいる場合の追加書類

  • 第3号被保険者該当届出書
  • 配偶者の年金手帳
  • 印鑑

これらを一緒に提出すれば、会社が配偶者の年金手続きも同時に処理をしてくれます。

転職にともなう引越しの年金手続き

それでは、転職にともなう引越しの場合はどうするのでしょうか。

厚生年金に加入する場合

新しい勤め先で厚生年金に加入する場合は、就職のときと同様、以下の書類が必要になります。

転職先で厚生年金に加入するときの必要書類

  • 厚生年金保険被保険者資格取得届(会社が用意してくれます)
  • 年金手帳
  • 印鑑

配偶者がいる場合の追加書類

  • 第3号被保険者該当届書(会社が用意してくれます)
  • 配偶者の年金手帳
  • 印鑑

これらの書類を新しい勤務先に提出すれば、会社が年金の手続きを行ってくれます。

国民年金に加入する場合

しかしながら、転職先で厚生年金に加入しないケースも考えれます。この場合は、引越し先の役所で国民年金に加入する必要があります

国民年金→国民年金

今までも国民年金に加入しており、転職後も続けて国民年金に加入する場合は、引越し先の役所で国民年金の「住所変更」をする必要があります。

その際に必要な書類は、以下のとおりです。

国民年金の住所変更に必要な書類

  • 年金手帳
  • 印鑑
  • 被保険者住所変更届(役所でもらえます)

厚生年金→国民年金

今までは厚生年金に加入していた人が、転職先で厚生年金に加入しない場合は、引越し先の役所で「厚生年金から国民年金への切り替え」をしなければいけません。

その際に必要な書類は、以下のとおりです。

厚生年金から国民年金への切り替えに必要な書類

  • 年金手帳
  • 印鑑
  • 退職証明書(離職票など)

なお、扶養されている配偶者がいる場合は、「配偶者の年金手帳」もいっしょに持っていけば同時に手続きが行えます。その際、配偶者もいっしょに役所へ行く必要はありません。


このように、転職先で厚生年金に加入する場合は、会社の指示に従えば大丈夫です。

しかし、転職先で厚生年金に加入できない場合は、「国民年金の住所変更」または「厚生年金から国民年金への切り替え」をしなければいけないため、間違えないように注意してください。

退職して引越したときの国民年金手続き

退職したのを機に、引越しするケースも考えられます。この場合、退職したときに厚生年金から脱退しているはずですから、引越し先の役所で国民年金に加入する必要があります。つまり、「厚生年金から国民年金への切り替え」です。

その際に必要な書類は、以下のとろおりです。

厚生年金から国民年金へ切り替えるときの必要書類

  • 年金手帳
  • 印鑑
  • 退職証明書(離職票など)

これらの書類を用意すれば、すぐに手続きは完了します。引越し後に役所で「転入届」または「転居届」を提出するはずですから、それと同時に済ませておくとスムーズです。

海外へ引越したら国民年金はどうなるの?

それでは、海外へ引っ越す人は、国民年金をどう処理すれば良いのでしょうか。

国民年金は「日本に住んでいる人」が加入するものです。ですから、海外へ引っ越す場合は、国民年金に加入している必要はなくなります。

ただし、希望をすれば「任意加入」という形で国民年金に加入することができます。保険料を払い続ければ、当然、年金の給付額は多くなります。

また、海外に住んでいる間に死亡したり、病気やケガなどで障害が残ったりしたときは、「遺族年金」「障害年金」が家族に支給されます。ですから、家族がいる人は加入しておくと安心です。

任意加入期間の保険料はさかのぼって納付できない

なお、任意加入期間(海外に住んでいるとき)の保険料は、払いそびれても後から納めることができません。任意加入をする人は、未納がないように注意してください。

年金受給者が引越した場合の住所変更手続き

それでは、すでに年金を受け取っている人が引っ越すときは、どのような手続きが必要なのでしょうか。

この場合、必要になるのが「国民年金の住所変更」と「受け取り場所の変更」の2つの手続きです。とはいえ、引越し先の役所で以下の必要書類を提出するだけですから、そこまで大変ではありません。

国民年金の「住所変更」「受取場所変更」の必要書類

  • 年金受給権者受取機関変更届(役所でもらえます)
  • 年金受給権者住所変更届(役所でもらえます)
  • 年金手帳
  • 印鑑

年金受給者の場合も、住民票の手続きを行うとき一緒に済ませておくと良いです。そうすれば、何度も役所に出向く必要がなくなります。

ただ、必要書類がなければ手続きはできないため、事前にしっかりチェックしておきましょう。分からないことがあれば、役所に電話をして聞いてみると良いです。

保険料の未納期間があっても引越し先での手続きは可能か

たとえ今までに保険料を未払いにしていた時期があっても、国民年金の住所変更はできます。ですから、上記で説明したとおりに、引越し先の役所で手続きを行ってください。

なお、保険料の未納期間がある場合、年金の受給額は減ってしまいます。ただし、最長5年までさかのぼって保険料を納めることができます。将来の年金額に不安がある場合は、早めに未納分を払っておくと安心です。

ちなみに以前は、保険料の納付期間が「25年」なければ、年金を受け取ることができませんでした。しかし現在では、その期間が「10年」まで短くなっています。

つまり、保険料を最低10年間払っていれば、将来、年金がもらえることになります。未払いがあり、将来年金が受け取れるか心配な人は、ひとまず「納付期間10年」のラインをクリアできるのかを確認しておきましょう。

まとめ

引越しの際に必要となる年金の手続きは、あなたが「第1号被保険者」「第2被保険者」「第3号被保険者」のどれに該当するかで変わってきます。まずは保険者区分を確認したうえで、必要な手続きをチェックしてください。

届出先が「役所」か「会社」かの違いはありますが、必要書類さえ用意すれば手続きは簡単です。

とくに役所での年金手続きが必要になる人は、転入または転居といっしょに済ませておくのがポイントです。そうすれば、引越したあとの役所手続きを、できるだけ手短に終わらせることができるはずです。

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