引越しのときに忘れてはいけないのが「駐車場の手続き」です。しかし、手続きを進める上で、「何から始めるの?」「どうやって駐車場を探すの?」など、いろいろと不安が出てくるかと思います。
今まで使っていた駐車場は「解約」をしなければいけません。さらに、引越し先でも車を使う場合は、新居周辺で駐車場を探し、「新規契約」をしておく必要があります。
引越してから「車を止める場所がない!」と慌てないよう、しっかり計画的に手続きを進めたいものです。
ここでは、引越しにともなう駐車場の「解約」と「新規契約」について詳しく説明します。また、その際の注意点についても後述するので必ず押さえておきましょう。
駐車場の手続きは「解約」と「新規契約」の2つ
車を持っている人であれば、引越しの際に「駐車場の手続き」が必要になります。基本的に、やることは次の2つです。
- 今まで使っていた駐車場⇒解約
- これから使う駐車場⇒新規契約
解約と新規契約は、どちらも引越し前に済ませておくべきです。解約が遅れると無駄な賃料を払うことになりますし、契約が遅れると引越し後、車の置き場所に困ってしまいます。
以下で説明する手順を理解し、スムーズに段取りをしていきましょう。
駐車場契約の解約手順
今借りている駐車場は、「住んでいる物件の駐車場」または「近くの月極駐車場」のどちらかだと思います。解約の手順が少し異なるため、それぞれで説明します。
住んでいる物件の駐車場を借りている場合
引越しが決まったら、まず管理会社または大家さんに「退去の連絡」をするはずです。その際に、駐車場を解約することもいっしょに伝えておきます。
ただ、伝え忘れた場合でも、賃貸の解約とあわせて駐車場の解約処理も進めてくれます。ですから、この場合は解約についての心配はいりません。
物件とは別の月極駐車場を借りている場合
別で駐車場を借りている場合は、物件と駐車場の契約はまったく別のものですから、退去の連絡をしたからといって、駐車場を解約することにはなりません。そのため、「物件の退去」と「駐車場の解約」はそれぞれで進める必要があります。
まずは現在使っている駐車場の契約書を見て、「契約先」と「解約を申出る時期」について確認してください。
一般的には、「引越しの1ヵ月前までに申出ること」という内容になっていると思います。ですから、引越しが決まったら、すみやかに解約の連絡をするのが賢明です。
物件または駐車場の管理会社に解約の連絡をすると、解約書類(駐車場使用契約解約届、駐車場解約申込書など)がもらえます。それに記入して提出すれば、解約手続きは完了です。
駐車場の解約時期に注意!
駐車場の解約日は「申し出た日の翌月末」としているところが多いです。解約の連絡が遅れると、駐車場料金を余分に支払わなければいけなくなってしまいます。
連絡は早いに越したことはありません。引越しが決まったら、できるだけ早く駐車場の管理会社に連絡をしておきましょう。
解約月の駐車場料金の精算について
前述のとおり、駐車場の契約では、解約日を「申し出た日の翌月末」としているところが多いです。それでは、月の途中で解約する場合はどうなるのでしょうか。
月の途中で退去する場合、家賃であれば「日割り精算」されるのがほとんどです。たとえば、15日に退去するのであれば、「半月分の家賃」を最後に精算することになります。
しかし、駐車場の場合は、月の途中で使わなくなったとしても、その月の料金は「月額精算」になります。
もし申告が遅れ、引越しする月に解約を申し出た場合、その翌月末が解約日になります。したがって、駐車場代を余分に1ヵ月分払わなければいけなくなってしまいます。
つまり、駐車場を解約するときは、「退去する月の前月」のうちに申告しなければいけません。図の場合ですと、引越し日が3月なので、2月のうちに確約を申し出る必要があります。
ちなみに、月極駐車場の契約をするときに敷金を支払っている場合は、解約後に返金されます。
引越し先で駐車場を探す方法
駐車場の解約手続きが終わったら、次は引越し先での駐車場探しです。ただ、その前にすることは「新居探し」です。まず新しく住むところが決まらなければ、駐車場を探しようがありません。
引越し先が駐車場付きの物件であれば、そこの駐車場を借りるのが一番です。ですから、新居を探すときは、「駐車場付き」という条件と付けておくと良いです。
しかし、都市部や住宅地では、物件の駐車場に空きがないケースもあります。その場合は、近所の月極駐車場を見つけなければいけません。
駐車場を探すには、以下の方法があります。
■新居の近所を歩いて探す
この方法であれば、「新居との距離」や「駐車場の雰囲気」などがつかみやすいですし、意外なところに良い駐車場が見つかるかもしれません。しかし、近所にあるすべての駐車場を見て回るのはかなり大変です。
■物件の管理会社や大家さんに相談してみる
管理会社や大家さんが近くの土地を管理していれば、他の駐車場を持っている可能性があります。また、その地域に詳しければ、都合の良い駐車場を紹介してくれるかもしれません。いずれにしても、一度聞いてみることをおすすめします。
■インターネットで探す
この方法が一番情報量としては多いはずです。また、忙しくて時間がない人にとっては、駐車場を探しやすいのではないでしょうか。
なお、機械式の立体駐車場などは、車によって入れない場合があります。ですから、契約する前に、その駐車場が使えるのか必ず確認しておきましょう。
駐車場の条件
ただし、車庫証明をとる際に、そこの駐車場が以下の条件を満たしていなければいけません。
駐車場の条件
- 新居と駐車場の直線距離が2km以内であること
- 車が十分に収まるスペースを確保していること
- 道路からの出入りに支障がないこと
もちろん、駐車場として他の人も使用しているところであれば問題ありません。
注意しなければいけないのは「距離」です。たとえ気に入った駐車場があっても、新居との距離が遠すぎると車庫証明が取得できません。ですから、気に入った駐車場が見つかったら、新居との距離も必ず確認するようにしてください。
新住所で使用する駐車場の契約手順と必要書類
引越し先で駐車場が見つかったら、次は契約です。
新居の駐車場を借りる場合は、賃貸契約といっしょに手続きを進めれば問題ありません。しかし、月極駐車場を借りる場合は、そこの管理会社または不動産会社と別途契約を交わすことになります。
駐車場の契約をするときは、以下の書類が必要になります。
契約時の必要なもの
- 身分証明書
- 住民票
- 印鑑証明書
- 車検証
- 引き落とし用の口座情報
- 銀行印
- 敷金、礼金、仲介手数料、1ヵ月分の賃料
必要書類は、契約するところによって異なる場合があります。また、初期費用も契約条件によって差が生じます。ですから、駐車場の候補がいくつかある場合は、契約金などの条件も比較してみると良いです。
必要書類を提出し、初期費用を支払えば契約完了です。
物件探しと同じで、駐車場を見つけるのに以外と時間がかかることも考えられます。ですから、新居が決まったら、できるだけ早く駐車場を探すことが重要です。
引越し先の駐車場が探しても見つからないときの対処法
しかしながら、「引越しまでにどうしても駐車場が見つからなかった」という可能性も考えられます。そのような場合は、どうすれば良いのでしょうか。
駐車場が見つかるまで路上駐車するわけにはいきません。旧居で使っていた駐車場に解約日ぎりぎりまで車を置いておくこともできますが、ずっと目の届かないところに放置するのは不安ですし、わざわざ旧居まで取りに行くのも手間がかかります。
このような場合は、一時凌ぎになりますが、コインパーキングを利用することも視野に入れておきましょう。そうすれば、とりあえず路上駐車は避けられます。
しかし、地方などでは近くにコインパーキングがない可能性も高いです。また都心部においても、「コインパーキングの料金が高い」というデメリットがあります。
したがって、駐車場が見つからなかった場合は、一旦少し離れた場所で借りておくのが最も無難です。そうしておけば、コインパーキングほど料金は高くならないはずです。
とはいえ、駐車場は近いに越したことはありません。ですから、管理会社に「駐車場に空きが出たら連絡してください」と伝えておき、しばらくチャンスを伺いましょう。
また、引越したあとでも、近くの駐車場を根気よく探すことも大切です。
引越し後は車庫証明の取得も忘れずに
「駐車場が見つかれば、あとは安心だ」と言いたいところですが、そういうわけにはいきません。
引越し後は、あらためて車庫証明を取り直す必要があります。車庫証明とは、「車の保管場所をきちんと用意していますよ」ということを公的に証明するためのものです。
車庫証明を取得しないと、車の保管場所を確保していないことになり、法律違反となってしまいます。ですから、駐車場が変わった場合は、車庫証明の申請を必ずしてください。
車庫証明に必要な書類のなかに、「保管場所使用承諾証明書」と「保管場所の配置図」というものがあります。駐車場を契約する際、管理会社または不動産会社がこれらの書類を用意してくれるケースがあります。
もし契約者に手渡すものとして、これらの書類の用意があれば、契約のときにもらっておきましょう。そうすれば、車庫証明の申請がスムーズに行えます。もちろん、申請時にこれらの書類を作成することも可能です。
引越ししたあとも何かと忙しくなりますが、忘れずに車庫証明を取得しておきましょう。
まとめ
ここまでの説明で、引越しにともなう駐車場の手続きについて理解できたのではないでしょうか。
それでは要点をまとめます。
駐車場の手続きの流れ | |
旧住所で使用していた駐車場を解約する 新居を探す 新居物件の駐車場または近くの月極駐車場を見つける 駐車場を新規契約する | |
駐車場の探し方 | |
新居の近所を歩いて探す 物件の管理会社や大家さんに相談してみる インターネットで探す | |
駐車場の条件 | |
新居と駐車場の直線距離が2km以内であること 車が十分に収まるスペースを確保していること 道路からの出入りに支障がないこと 駐車場として認められている場所であること | |
駐車場の解約・新規契約の際に必要な書類 | |
【解約時】 解約書類(駐車場使用契約解約届、駐車場解約申込書など) 印鑑 | 【契約時】 身分証明書 住民票 印鑑証明書 車検証 引き落とし用の口座情報 銀行印 敷金、礼金、仲介手数料、1ヵ月分の賃料 ※契約内容によって異なる |
駐車場の手続きに関する注意点
- 引越しが決まったら、すみやかに解約を申し出る
- 解約月の駐車場料金は、「月額精算」が一般的
- 契約時に敷金を支払っている場合は、解約後に返金される
- 新居が決まったら、あわせて駐車場も探す
- 駐車場の候補がいくつかある場合は、初期費用も比較する
- 駐車場が見つからないときは、一旦少し離れた場所で借りておく
- 引越し後は、必ず車庫証明を取得する
これらのポイントに気をつけて手続きを進めてください。
引越し先の駐車場は、新生活において以外と重要です。引越し直前になって「駐車場が見つからない!」と焦らないように、早めから駐車場を探し始めるのが肝心です。
もちろん、駐車場付きの物件であれば、それに越したことはありません。ただ、そのような物件は人気が高いため、好条件のところを見つけるのに時間がかかるかもしれません。いずれにしても、「部屋探し」「駐車場探し」は早めから動き出すことをおすすめします。