引越しの準備をするにしても、荷造りはかなり大変です。しかし、忙しい人や手間をあまりかけたくない人もいるはずです。
そのような場合、「荷造りを引越し業者にお願いできないかなぁ?」と考えている人もいるのではないでしょうか。
もちろん、引越し業者に依頼すれば、荷造りや荷ほどきはやってもらえます。業者によってプラン名称は異なりますが、「らくらくパック」や「おまかせパック」などがあります。(※このページでは「らくらくパック」に統一します)
ただし、らくらくパックの料金は決して安くはありません。引越し業者によって料金やサービス内容が違うため、荷造りをお願いする場合は、各社の条件を必ず比較するようにしてください。その上で、依頼先をよく検討することが肝心です。
このページでは、らくらくパックの「特徴」「料金相場」「各社のサービス内容」について詳しく説明します。
らくらくパックはこんな人にオススメ!
まずは、「らくらくパック」がどのようなプランなのかを理解しましょう。
簡単に言うと、「らくらくプラン」とは、引越しで一番面倒な「荷造り」と「荷ほどき」をすべて業者におまかせするサービスのことです。
「らくらくパック」はこんな人にオススメ!
- 急に引っ越すことになった
- 仕事が忙しくて荷造りする時間がない
- 荷造りが面倒
- 箱詰めする荷物が大量にある
- 妊娠中で作業するのが大変
- 高齢で荷造りする体力がない
このように、らくらくパックは「引越しの荷造りが大変」という人におすすめのプランです。
本来であれば、単身者でも1~2週間前から少しずつ荷造りを進めると、準備がスムーズです。
しかし、「急な引越し」や「忙しい」場合は、荷造りに時間を取れないことも考えられます。また、作業が困難だったり、面倒に感じたりする人もいるはずです。
そのよう場合は、「らくらくパック」が非常に便利です。引越しで一番大変な荷造り・荷ほどきを任せられるので、かなり楽になると思います。
らくらくパックのメリット・デメリット
ただし、らくらくパックはメリットだけではなく、もちろんデメリットもあります。ですから、そのことは良く理解しておく必要があります。
らくらくパックのメリットとデメリットは以下のとおりです。
らくらくパックのメリット
- 荷造りに時間を取る必要がない
- 新生活をすぐにスタートできる
- 後片づけもしてくれるので楽
らくらくパックは、時間がない人や手間をかけたくない人にとって非常に便利なサービスです。荷ほどきも一緒にお願いすれば、スムーズに新生活をスタートできます。ですから、「引越したらすぐに仕事がある」という人にも最適です。
らくらくパックのデメリット
- 料金が高い
- 当日の作業時間が長くなる
- 作業スタッフに箱詰めの指示をする必要がある
らくらくパックの最大のデメリットは、「料金の高さ」です。荷物の量で料金は変わりますが、場合によっては、費用が2倍近くになる可能性もあります。
また、当日の作業時間がどうしても長くなってしまうというデメリットはあります。もちろん自分で作業するよりは短時間で済みますが、作業の指示をするのも意外と面倒です。
らくらくパックのサービス内容を引越し業者ごとに比較
ここまでの説明で、らくらくパックの特徴について理解できたかと思います。
ただ、引越し業者によってプラン名やサービス内容が異なります。ここでは、その違いを比較します。
クロネコヤマト「らくらく荷造り」
プラン名 | 作業内容 |
らくらく荷造り | 部屋単位で荷造りを依頼できる |
らくらく荷ほどき | 部屋単位で荷ほどきを依頼できる |
クロネコヤマトのサービスの場合、「荷造り」と「荷ほどき」のどちらかだけを依頼することができます。さらに、作業を「部屋単位」で依頼できるため、費用の節約も可能です。
サカイ引越センター「らくらくコース」
プラン名 | 作業内容 |
らくらくコース プレミアム | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ 新居の掃除 |
らくらくAコース | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ |
らくらくBコース | 荷造りのみ |
らくらくCコース | 食器の荷造り、荷ほどきのみ |
サカイ引越センターの場合も、依頼したい作業範囲に応じてプランが設定されています。人によっては「荷造りだけお願いしたい」という場合もありますから、親切なプラン内容になっていると思います。
日通「フルプラン」
プラン名 | 作業内容 |
フルプラン | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ |
日通の「フルプラン」は、おまかせパックの典型的なサービス内容となっています。作業範囲を細かく指定することはできませんが、「すべてお任せしたい」という人は候補に入れておきましょう。
アート引越センター「おまかせパック」
プラン名 | 作業内容 |
おまかせパック「フルコース」 | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ |
おまかせパック「ハーフコース」 | 荷造りのみ |
アート引越センターの場合は、「すべておまかせ」か「荷造りだけおまかせ」のシンプルな選択になります。
アーク引越センター「フルフルプラン」
プラン名 | 作業内容 |
フルフルプラン | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ |
アーク引越センターの場合、選べるのは「フルフルプラン」のみです。「すべてお任せしたい」という人には問題ありませんが、荷造りと荷ほどきのどちらかだけを依頼したい場合には不都合です。
アリさんマークの引越社「アリさんパック」
プラン名 | 作業内容 |
アリさんスペシャルパック | 荷造り 荷ほどき 収納(細かな配置まで可能) 片づけ |
アリさんフルパック | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ |
アリさんパック | 荷造りのみ |
アリさんマークの引越社も、依頼した範囲に応じてプランを選ぶことができます。「スペシャルパック」は食器棚や本棚などの細かな配置まで元どおりにしてもらえるため、几帳面な人には最適です。
ハート引越センター「パーフェクトプラン」
プラン名 | 作業内容 |
パーフェクトプラン | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ |
ハート引越センターの場合、選べるのは「パーフェクトプラン」のみです。「すべてお任せしたい」という人には問題ありませんが、荷造りと荷ほどきのどちらかだけを依頼したい場合には不都合です。
タウン引越サービス「おまかせプラン」
プラン名 | 作業内容 |
荷造付きプラン | 荷造りのみ |
全ておまかせプラン | 荷造り 荷ほどき 収納 片づけ |
タウン引越サービスの場合は、「すべておまかせ」か「荷造りだけおまかせ」のシンプルな選択となります。
※なお、荷造りや荷ほどきを依頼できる引越し業者は、ここで紹介した以外にもあります。
プランの内容を比べると、作業範囲を細かく指定できる業者とできない業者があります。「作業はすべて任せたい」という人は、上記の業者はすべて候補になります。
しかし、「荷造りだけをお願いしたい」という人は、作業範囲を指定できる業者を選ぶようにしましょう。
作業範囲によって料金が変わるため、あなたの要望をしっかり伝えたうえで見積もりを提示してもらうことが大切です。
らくらくパックの料金相場
それでは、最も気になる「料金の相場」について解説します。
らくらくパックを依頼する場合は、通常より多くの作業員が必要になります。そのため、どうしても「人件費」が高くなります。
らくらくプランの料金相場を計算するときは、以下の式に当てはめると簡単です。
らくらくプランの料金相場
【作業員1人当たりの人件費】×【作業に必要な人数】
たとえば、単身引越しの場合を考えてみましょう。作業員1人当たりの人件費を「15,000円程度」とします。
通常の単身引越しの場合
依頼する作業 | 料金相場 |
【荷造り】 | 30,000円程度 |
【荷造り+荷ほどき】 | 60,000円程度(荷造り料金の2倍) |
荷物が少なめの単身引越しの場合
依頼する作業 | 料金相場 |
【荷造り】 | 15,000円程度 |
【荷造り+荷ほどき】 | 30,000円程度(荷造り料金の2倍) |
荷物が多めの単身引越しの場合
依頼する作業 | 料金相場 |
【荷造り】 | 45,000円程度 |
【荷造り+荷ほどき】 | 90,000円程度(荷造り料金の2倍) |
基本的に、手配される作業員は「荷物量」に応じて変わります。荷物が多いと作業員もたくさん必要になるため、料金は高くなります。
しかし、引越し当日、業者のスケジュールが詰まっている場合は、人数を多くかけて短時間で終わらせることもあります。このようなケースでも料金が高くなる可能性があります。
上記の相場はあくまでも目安の金額になりますが、らくらくパックを検討するときの参考になると思います。
らくらくパックの料金が安い引越し業者はどこ?
とはいえ、らくらくパックの料金は決して安くはありません。だからこそ、できるだけ安い業者を選びたいところです。
実際のところ、似たようなサービス内容でも業者によって料金は異なります。したがって、らくらくパックを利用する場合は、サービスを扱っている各社の料金を比べることが肝心です。
らくらくパックを扱っている業者を比較
ただ、引越し業者のなかには、らくらくパックを扱っていないところもあります。それでは、どうやってサービスを扱っている業者を探し、各社の料金を比べれば良いのでしょうか?
そこで便利なのが「一括見積もりサービス」です。
一括見積もりサービスは、あなたの要望に合った業者が自動でピックアップされる仕組みになっています。つまり、「らくらくパック」を扱っている複数社がカンタンに見つかります。
さらに、それらの業者に対して一括で見積もりを依頼できるのが最大のメリットです。気になる引越し業者の料金やサービス内容をスグに比較できるのも、あなたにとって大きな利点になるはずです。
したがって、一括見積もりサービスを使えば、「らくらくパックを扱っている業者」から一番安いところを選ぶことができます。
一括見積もりは無料のサービスです。
「荷造りはお願いしたい。けど、できるだけ安い業者がいい!」という人にとっては最も有効な手段になります。
らくらくパックはどこまで荷造りをおまかせできる?退去時の掃除もやってもらえるの?
ここまでは、らくらくパックのサービス内容や料金相場について解説してきました。
らくらくパックを依頼すれば、「すべての作業をおまかせできる」と思うかもしれませんが、そうではありません。らくらくパックを利用したとしても、以下の作業は自分で行う必要があるので注意しましょう。
貴重品の管理
貴重品に関しては、当日、自分で運ぶようにしてください。万が一、紛失した場合、トラブルに直結するからです。
基本的に、引越し業者のスタッフは貴重品には触りません。ですから、貴重品の持ち運びは、あなた自身が行う必要があります。
下着類の梱包
とくに女性の場合、「下着類を作業員に見られたくない」という人もいるはずです。ですから、見られたくない荷物はあらかじめ自分で箱詰めする必要があります。
荷ほどきも依頼する場合は、ダンボールに「開けないで!」とマジックで大きく書いておきましょう。そうすれば、作業員に下着類などを見られることはありません。
退去時の掃除
らくらくパックを依頼すると、「掃除もしてくれる」と勘違いしがちです。しかし、らくらくパックでやってもらえるのは、基本的に「荷造り」と「荷ほどき」だけです。ですから、退居時の掃除は自分でやらなければいけません。
ただし、ハウスクリーニングをオプション設定している業者もあります。料金はさらに高くなりますが、「簡単に掃除する時間もない!」という人は、本当にすべておまかせすることも可能です。
らくらくパックの事前準備
さらに、引越し当日を迎える前に準備しておきたいことがあります。
【らくらくパックを利用するときの事前準備】
- 洗濯機、冷蔵庫の水抜き
- テレビ、パソコンの配線を外す
- 新居における家具・家電の配置を決める
- 荷物を搬入しやすいように間取り図を用意する
「家電の水抜き」「AV機器の配線外し」程度の作業であれば、忘れていても当日やってもらうことはできます。ただし、基本的には自分で行う作業ですから、業者にやってもらうと追加料金を請求される可能性があります。
また、「家財の配置」を決めておくことも重要です。配置を想定しておかないと、搬入するときにいちいち「どこに置けば良いですか?」と確認しながら作業することになります。
【間取り図・家具の配置図の例】
手書きのもので良いので、「新居の間取り図」も用意しましょう。これがあれば、作業員が箱詰めするときに荷物をまとめやすいですし、ダンボールの搬入もかなりスムーズになります。
このように、らくらくパックを利用する場合でも、自分でやることが全くなくなるわけではありません。少なからず事前の準備は必要になるので、やるべきことはリストアップしておきましょう。
【補足】らくらくパックの所要時間
そこで、らくらくプランを利用したときの作業時間についても把握しておきましょう。
【作業時間の目安】※単身引越しの場合
荷造り | 1~1.5時間程度 |
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荷ほどき・収納 | 1.5~2時間程度 |
荷造りと荷ほどきをすべておまかせする場合、通常の作業より2~4時間ほど長くなります。一人暮らしでも荷物が多い人の場合は、作業時間がさらに長くなる可能性もあります。
ただ、自分で何日もかけて行うことを考えれば、この程度の時間は仕方のないことです。引越し当日のスケジュールを立てる際は、時間がある程度どのくらいかかるのか、業者に確認しておくと良いです。
なお、らくらくパックの荷造り作業を引越し当日ではなく、前日もしくは前々日に行うケースもあります。業者のほうの都合もあるので、スケジュールを良く相談して決めましょう。
まとめ ~引越しらくらくパックの料金相場と特徴!事前の準備はどこまでやるの?~
らくらくパックは、「時間がない人」「手間をかけたくない人」「準備が大変な人」にとっては非常に便利なプランです。ただ、通常のプランと比べると、どうしても料金が高くなってしまうのがデメリットです。
ですから、らくらくパックを検討する場合は、複数の業者から見積もりを取ったうえで、各社の料金を比較することがとても重要になります。