これから引越しを予定している人にとって、料金が一番気になるポイントではないでしょうか。
基本的に、引越し料金は以下4つの項目で構成されています。
- 基準運賃
- 実費
- オプション料金
- 割増料金
このなかでも注目したいのが「割増料金」です。なぜなら、どのようなときに割増料金が発生するのか知っておけば、引越し料金を大幅に節約することができるからです。
そこで今回は、引越し料金が「割増し」になる条件について詳しく解説します。割増料金になる時期や日にち、時間帯を避ければ、引越し料金を安くするのに効果的です。
引越しには割増料金がある
前述のとおり、引越し料金は「基準運賃」「実費」「オプション料金」「割増料金」の4つから構成されています。まずは、引越し料金の内訳ごとに内容を簡単に把握しておきましょう。
【引越し料金の内訳と内容】
基準運賃
引越しの運賃は、国土交通省が「時間制」や「距離制」によって基準となる金額を決めています。
業者によってある程度の差は生じますが、「基準」があるため、どこも似たような金額になっているはずです。
実費
実費とは、以下のような費用のことを言います。
- 作業員の人件費
- ダンボールなどの梱包資材費
- 有料道路通行料
たとえば、高速道路は「片道」ですが、フェリーは「往復」の料金を請求されるのが一般的です。
オプション料金
オプションサービスには、以下のようなものがあります。
- エアコンの取り外し、取り付け
- 不用品の引き取り
- ハウスクリーニング
- ピアノの搬送
- 荷造り、荷ほどき作業
これらのサービスは基本作業に含まれません。
そのため、必要となれば、業者へ有料で依頼することになります。
オプション料金は、サービス内容によって大きく異なります。
割増料金
以下のような日程や時間帯で引越しをする場合は、料金が割増しされます。
- 繁忙期(3~4月)
- 土日、祝日などの休日
- 早朝、深夜
- 月初、月末
- 長期連休(ゴールデンウィーク、お盆シーズン、年末年始)
これらの時期や日にち、時間帯ですと、通常より予約が集中するため、料金が高めに設定されています。
引越し料金を安くするうえで、最も注目すべきなのは「割増料金」です。ほかの項目でも費用を節約することは可能ですが、なかなか調整が難しいものもあります。
下記では、どのようなケースで割増料金が発生するのか詳しく見てみましょう。
業者が忙しい時期は3〜5割増し
多くの人が就職や転勤、入学などで、3~4月に生活環境が変わります。それにともなって引越しの予約も集中するため、この時期は業者にとって「繁忙期」となります。
ホテルや飛行機などの予約をするときでも、「シーズン中は料金がやたらと高いな!」という経験があるかと思います。引越しも同様で、3~4月の繁忙期は、料金が30~50%も高くなります。
【繁忙期の割増料金の目安】
通常期 | 繁忙期(3~5割増し) | 値上がり金額 |
50,000円 | 65,000~75,000円 | +15,000~25,000円 |
このように、引越し時期が「繁忙期」というだけで、料金はかなり高くなります。ですから、引越しのタイミングを調整できるようであれば、3~4月(とくに3月末~4月上旬)の時期は避けたほうが賢いです。
ただ、この時期の引越しは、仕事や学校などの都合によるものが多いです。そのため、料金が高くても、引越しのタイミングをほとんど変えられないのが実情です。
土日は2割増し
土日、祝日などの休日も、平日に比べて料金が高くなります。なぜなら、「休日を利用して引っ越そう」と考える人が多いため、予約が集中しやすいからです。そのため、平日よりも割高な料金設定となっているケースがほとんどです。
【休日の割増料金の目安】
平日 | 土日・祝日(2割増し) | 値上がり金額 |
50,000円 | 60,000円 | +10,000円 |
このように、ただ休日というだけで料金は高くなってしまいます。もちろん、引越し料金がこれよりも高くなれば、値上がり幅も大きくなります。
ただ、引越し日を「平日」にズラすくらいなら、調整しやすいのではないでしょうか。たとえば、会社勤めの人であれば、「有休を使って平日に引っ越す」という方法が考えられます。
早朝・深夜は3割増し
引越し料金は「時間帯」によっても変わります。とくに「早朝・深夜」になると、業者への負担が大きくなるため、料金はかなり割高になります。
【早朝・深夜の割増料金の目安】
日中 | 早朝・深夜(3割増し) | 値上がり金額 |
50,000円 | 65,000円 | +15,000円 |
早朝や深夜の引越しは、業者スタッフへの負担が大きくなるため、どうしても割増料金になってしまいます。できれば日中の時間帯で依頼することをおすすめします。
引越し料金は時間帯でも変わる
さらに、日中でも「午前」と「午後」で料金は変わります。
というのも、「午前」から作業を始めたほうが、午後から荷ほどきや手続きなどで時間を有効的に使えるからです。そのため、「午前」のほうに予約が集中しやすく、料金も割高になります。
したがって、「午後」からの引越しを選ぶことで、料金は安くなる可能性があります。
しかし、早朝や深夜を希望する人というのは、やむを得ない「急な事情」で引っ越すケースが多いです。その場合は、割増料金を覚悟して、業者へ依頼しましょう。
月初・月末は1〜2割増し
また、月単位でみても、「月初・月末」は「月の中旬」に比べて料金が割高になります。仕事や学校などの都合で、月の変わり目に引越しする人が多いからです。
また、「月末まで旧居に住む」「月初から新居に住み始める」というように、切りの良いところで引越したほうが、家賃を支払ううえで都合が良いです。これも月初、月末に引っ越す人が増える理由です。
したがって、月の中旬に引越したほうが、料金は安くなります。
【月初・月末の割増料金の目安】
月の中旬 | 月初・月末(1~2割増し) | 値上がり金額 |
50,000円 | 55,000~60,000円 | +5,000~10,000円 |
ちなみに、退去月や入居月の家賃を「日割り計算」してくれる物件であれば、引越しのタイミングで「家賃の損得」は生じません。その場合は、引越し料金を安くすることを優先したほうが節約につながります。
「ゴールデンウィーク」「お盆シーズン」「年末年始」などの長期連休は3〜5割増し
「ゴールデンウィーク」「お盆シーズン」「年末年始」などの長期連休は、「通常の休日」よりも予約がさらに集中しやすくなります。そのため、料金はどうしても割高になります。
【長期連休の割増料金の目安】
通常の休日(2割増し) | 長期連休(3~5割増し) | 値上がり金額 |
60,000円 | 65,000~75,000円 | +15,000~25,000円 |
通常の休日でも「2割増し」ですが、長期連休は料金が「3~5割増し」になります。予約の混み具合によっては、繁忙期並みの料金になることもあります。ですから、料金の節約を考えれば、長期連休の引越しは避けるべきです。
引越し料金の割増条件と目安まとめ
ここまでの説明のとおり、引越し料金はさまざまなタイミングで「割増し」になります。基本的に「引越しの予約が集中しやすいタイミング」は割増料金になるので注意しましょう。
引越し料金に割増条件について簡単にまとめます。
引越しのタイミング | 割増料金の目安 |
繁忙期 | 3~5割増し |
土日・祝日 | 2割増し |
早朝・深夜 | 3割増し |
午前 | 午後に比べて割高 |
月初・月末 | 1~2割増し |
長期連休 | 3~5割増し |
狙い時は「平日の午後」
引越しにはさまざまな都合があるので、なかなか調整しにくいケースもあるかと思います。とくに仕事や学校などの都合で引っ越す場合は、時期を調整するのは無理に近いものがあります。
そのような場合は、せめて「平日の午後」に何とか調整してみてください。
これだけでも、引越し料金を節約するには、かなり効果的です。
また、「お得な日」と「割高な日」は業者の予約状況によっても変わります。
ですから、見積もりの際に「お得な日・時間帯」を聞いてみて、そのなかで調整するのも賢い方法です。
まとめ
今回は、引越しの「割増料金」についての解説でした。
引越し料金というのは、時期や時間帯、あるいは日取りでかなり変わってきます。
その辺りに注意して予約を取れば、費用は抑えられるはずです。
ただ大前提として、引越し料金は業者によっても差が生じます。
相見積もりを必ず取って、納得のいく業者を選んでくださいね。