結婚や同棲にともなう引越しの場合、今まで使っていた家具や家電、ふとんなどが不要になることがあるかと思います。このようなサイズの大きい不用品は、「粗大ゴミ」として処分する必要があります。
ただ、「粗大ゴミってどうやって捨てるの?」と、処分方法がわからずに困ってしまう人もいるはずです。
粗大ゴミ(不用品)を処分する方法は、以下の6つがあります。
粗大ゴミ・不用品の処分方法6選
- 自治体に収集してもらう
- 不用品回収業者に処分を依頼する
- 引越し業者の不用品回収サービスを利用する
- リサイクルショップに買い取ってもらう
- 友人にゆずる
- オークションサイトで売る
不用品を処分して荷物を減らしておけば、引越しのときの手間が省けるだけでなく、料金も安くなります。
ただ、処分が引越しまでに間に合わないと、いらない物をわざわざ新居に持っていく羽目になります。したがって、不用品がある場合は、引越し前のできるだけ早めに処分することが重要になります。
ここでは、粗大ゴミを処分するときの6つの方法について詳しく解説します。それぞれのケースによって、適している処分方法は異なります。紹介する中から、あなたにとってベストな処分方法を検討しましょう。
1.粗大ゴミの処分費用は自治体に回収してもらうのが一番安い
住んでいる地域の自治体では、粗大ゴミを定期的に収集しています。予約をすれば、粗大ゴミを回収してもらえます。
実は、自治体で粗大ゴミとして処分するのが、処分費用としては一番安くなります。
私が以前、ベッドのマットレスを粗大ゴミとして処分したときは、なんと費用は「800円」でした。回収業者などに依頼すると数千円はかかりますから、それに比べると格安です。
ただし、すべての物が粗大ゴミとして回収してもらえるわけではありません。
そのため、どのような物であれば自治体で回収してもらえるのかを理解しておく必要があります。
粗大ゴミとして回収してもらえる物・回収してもらえない物
ここでは、粗大ゴミとして「回収してもらえる物」と「回収してもらえない物」を具体的に紹介します。
【回収してもらえる物】
●布類など |
カーテン、カーペット、マット、ふとん、畳、ござ、ふすま、すだれ、障子など |
●家具 |
机、イス、ベッド、マットレス、棚、タンス、こたつ、ソファなど |
●家電 |
電子レンジ、扇風機、プリンター、オーディオ機器、ミシン、電気カーペット、掃除機など |
●その他 |
自転車、ベビーカー、楽器、ガスコンロ、物干し竿、ゴルフセット、スキー板など |
【回収してもらえない物】
●家電類 |
エアコン、テレビ、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、衣類乾燥機、パソコン ※リサイクル法の対象品 |
●その他 |
タイヤ、ピアノ、ガスボンベ、バイク、バッテリー、灯油、塗料、薬品類など |
粗大ゴミを自治体に回収してもらうときの注意点
- エアコン、テレビ、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、衣類乾燥機、パソコンは「家電リサイクルの対象品」のため、粗大ゴミとして処分することはできません。
- 解体せずに不燃ゴミ袋に入るもの(炊飯器、ドライヤーなど)は、通常どおり不燃ゴミとして出せば大丈夫です。
- ファンヒーターやストーブは、中の灯油が残っていると回収してもらえません。
処分する前に、灯油は使い切るか捨てておきましょう。 - 各自治体によって、粗大ゴミにおける規定は異なります。
事前に自治体のホームページを見るか問い合わせをして、収集してもらえるかを必ず確認してください。
※家電リサイクル法の対象品については、後述で処分方法を紹介します。
粗大ゴミの有料収集を自治体に依頼する場合
それでは具体的に、粗大ゴミを回収してもらう手順について説明します。
粗大ゴミを自治体に回収してもらうには「申込み」が必要です。
申し込みは電話やインターネットからできます。
ただし、自治体によって申し込み方法は異なるため、ホームページなどで確認しましょう。
ちなみに、収集日はすでに自治体で決められているため、こちらで指定することはできません。
申し込みをしたら、次は処理券を購入します。販売場所は「市や区の施設」や「町内会」が一般的ですが、「コンビニ」でも購入できる自治体があります。
金額も自治体によって異なりますから、ホームページなどで確認しましょう。
収集場所は「道に面しているところ」を指定されるはずです。
道に面していない建物の場合は、敷地内ではなく、少し離れたところを指定される可能性があります。
ちなみに、雨の日でも、粗大ゴミは収集してくれます。
粗大ゴミを捨てるときの手順は、それほど難しいものではありません。
- 申込み
- 処理券を買う
- 収集日に粗大ゴミを出す
この3つのステップで処分は完了です。
ただし、建物の外まで粗大ゴミを運ぶ必要があります。一人では運べない場合は誰かに手伝ってもらうか、引越し業者などに依頼することになります。
自分で粗大ゴミを処分場に持ち込む場合
また、運搬できる車があり、自分で粗大ゴミを運べるのであれば、処分場に直接持ち込むこともできます。ただ、施設によって受付時間が決まっているため、事前に確認してから持ち込むようにしましょう。
自分で粗大ゴミを持ち込めば、収集してもらうよりは料金が安くなります。粗大ゴミの重さにもよりますが、場合によっては無料になることもあります。
リサイクル法に基づいた方法で処分する
引越しのタイミングで良く買い替えるのが「白もの家電」。具体的には、エアコン、テレビ、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、衣類乾燥機のことです。
これらの家電は「リサイクル法の対象品」となるため、粗大ゴミとしては処分できません。
これらの家電は、以下のいずれかの方法で処分してください。
家電リサイクル法の対象品を処分する方法
- 家電販売店に引き取ってもらう
- 自治体から紹介された許可業者に引き取ってもらう
- リサイクル券を購入し、自分で指定引取場所に持ち込む
- リサイクルショップで売る
基本的に、これらの家電を処分するときは「リサイクル料金」を負担することになります。
適切な処分方法が異なるため、詳しくは次の記事を参考にしてください。
自治体で粗大ゴミを回収してもらう場合の2つの大きな問題点
自治体に回収してもらえば、粗大ゴミを最も安く処分できます。ただし、この方法には、以下のような2つの問題点があります。
【自治体の粗大ゴミ回収における2つの問題点】
- 粗大ゴミを指定場所まで運ばなければいけない
- 申し込みが遅れると、収集が引越しまでに間に合わない可能性がある
粗大ゴミを運べるか
粗大ゴミの回収を申し込んでも、家の中まで引き取りに来てくれるわけではありません。粗大ゴミは「建物の道に面しているところ」まで自分で運ぶことになります。
したがって、物が大きくて一人では運べない場合は、誰かに手伝ってもらう必要があります。もしくは、自治体での回収をあきらめなければいけません。
引越しまでに回収が間に合うか
収集日は自治体によって決められており、月に1~2回程度しかありません。指定日が「申込みから1~2週間後」になることもあるため、申し込みが遅れると、収集が引越しまでに間に合わなくなってしまう可能性があります。
たとえば、「引越し日が10月7日」で「収集日が10月21日」だった場合を考えてみましょう。
この場合、「引越し日」に粗大ゴミを出してしまうと、その場所に2週間も放置することになります。
原則として、粗大ゴミは「収集される当日」に出すことになっています。ですから、「収集日」が「引越し日」より後になってしまう場合は、ほかの方法で処分しなければいけません。
2.不用品回収業者なら当日の引き取りも対応可能
即日対応
もし自治体の回収が引越しまでに間に合わないときは、不用品回収業者に依頼する方法もあります。回収業者なら即日対応してくれるところがあるため、自分のタイミングで処分できます。ですから、「急な引越しで、不用品をすぐ処分したい」という場合などにとても便利です。
運搬不要
また、回収業者に依頼すれば、不用品を家まで取りに来てくれます。そのため、粗大ゴミが大きくて運べない人にとっても有効な方法です。
費用は高い
ただし、回収業者に引き取ってもらうと、数千~数万円の処分費用がかかります。自治体の場合は数百円ですから、それに比べるとかなり高額なのが理解できるかと思います。
ですから、回収業者を利用するのは、「粗大ゴミが自分で運べない」「すぐに処分したい」というときの最終手段として考えておきましょう。
なお、不用品回収業者のなかには、国から認可されていないところもあります。悪質な場合、不法投棄につながる可能性もあるため、業者選びには注意しましょう。
無難なのは、自治体に問い合わせて「許可業者」を紹介してもらうことです。そういう業者であれば、安心して引き取りを依頼できます。
3.引越し業者の不用品回収サービスが一番楽
また、引越し業者のなかには、不用品の処分から買取りまで対応してくれるところがあります。たとえば、大手ですと「サカイ引越センター」「日本通運」「ハート引越センター」などです。
引越し業者に回収を頼めば、引越しのスケジュールに合わせて不用品を引き取ってもらえます。ですから、「処分が引越しまでに間に合わない」ということもありません。
また、「引越し」と「不用品処分」の手続きや支払いを一緒に済ませることができます。ですから、引越し業者に引き取ってもらうのが、一番手間のかからない楽な方法です。
見積もりの際に、不用品回収サービスの有無と料金を必ず確認する
とはいうものの、買取りが可能なのは、商品として売れるような「状態の良いもの」だけです。それ以外は、引き取ってもらうのに数千~数万円の費用がかかります。
また、引き取ってもらえる品目は、それぞれの業者によって異なります。ですから、見積もりの際に、「不用品を引き取ってもらえるのか」と「回収にいくらかかるのか」を必ず確認するようにしてください。
ただ、この方法も「自治体での回収」より料金は高くなります。ですから、できれば粗大ゴミは自治体に回収してもらうのがオススメです。
しかし、自治体への申し込みが遅れてしまった場合は、引越し業者に引き取ってもらうのも一つの選択肢です。
4.まだ使えるものはリサイクルショップでの買取りも検討しよう
不用品の処分といっても、「捨てる」だけではありません。まだ使える物であれば、リサイクルショップで売ることも考えるべきです。買い取ってもらうことができれば、「いらないもの」を現金化することも可能です。
リサイクルショップでは「出張買取」を行っているところが多いため、不要品を持ち運べない人にとっても非常に便利です。
ただし、場合によっては、引き取ってもらえなかったり、処分費用を請求されたりするケースもあります。
なぜなら、リサイクルショップは「引き取ったものを再び売る」のが目的だからです。ですから、当然ながら、コンディションが悪いものは買い取ってもらうことはできません。
状態がある程度キレイなものであれば、リサイクルショップでの買取りがオススメです。
たとえ値段がつかなくても、リサイクルショップに引き取ってもらえる場合があります。しかし、その場合は、処分費用を請求される可能性があるので注意してください。
5.友人にゆずれば処分費用は無料になる
結婚や同棲による引越しですと、単身用の洗濯機や冷蔵庫がいらなくなるケースも多いです。もし友人などで引き取ってもらえる人が思い当たる場合は、もらってくれるか一度聞いてみると良いです。
タイミング良く引き取ってもらうことができれば、それに越したことはありません。あなたとしては不用品を無料で処分でき、友人は必要なものが無料で手に入るので、お互いにとってメリットが大きいです。
6.慣れている人はオークションサイトで売ることも検討しよう
オークションを利用して、個人が商品を売買することも一般的になっています。そのため、不用品をオークションで売ろうと考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、物をオークションサイトで売る場合、出品から落札されて発送するまでにある程度の日数がかかります。ですから、不用品をオークションで売るときは、かなり早くから段取りする必要があります。
出品するものが大きな家具ともなると、梱包や発送にも手間がかかります。また、送料やサイト年会費などがかかるため、かえって費用が高くなる可能性もあります。さらに、個人間の売買ですから、トラブルに発展するケースもあります。
はっきり言うと、オークションで物を売るのは面倒です。とくに引越し前は何かと忙しくなると思いますから、オークションサイトの利用に慣れていない人にはオススメできません。
【体験談】粗大ゴミを放置するのは不法投棄になる
【筆者の体験談】粗大ゴミを2週間も放置する編
以前、私が当時の彼女と同棲する際に、それまで使っていたベッドやソファを自治体に回収してもらったことがあります。
そのとき、自治体への申し込みが遅くなってしまい、収集日は「引越しの2週間後」に指定されました。
ただ、新居に持っていくわけにもいかなかったため、大家さんにお願いをして、粗大ゴミを2週間も前から敷地内に置かせてもらったのを覚えています。
ときどき、冷蔵庫やテレビ、ソファなどがゴミ捨て場に放置されているのを見かけます。しかし、これは立派な「不法投棄」になります。私の場合も、大家さんに了承を得ていなければ、不法投棄のようなものです。
本来であれば、収集される当日に粗大ゴミを出さなければいけません。つまり、そこに住んでいる間に収集してもらう必要があるのです。
ですから、粗大ゴミを自治体に回収してもらう場合は、遅くとも2~3週間前には申し込みをするようにしてください。
まとめ
ここまでの説明で、粗大ゴミの処分方法について理解できたかと思います。
一番良い方法は、リサイクルショップで買い取ってもらうことです。そうすれば不用品を現金に換えることができます。ただ、比較的キレイなものしか売れません。
友人に譲るのも良いですが、必要としている人がちょうどのタイミングで見つかることは稀です。
そう考えると、粗大ゴミは自治体で回収してもらうのが一番確実です。処分費用も1,000円前後ですから、かなり安く済みます。
ただし、回収してもらうには事前の申し込みが必要になります。遅くとも引越しの2~3週間前には動き出してましょう。
自治体の収集が引越しまでに間に合わなかったり、粗大ゴミを回収場所まで運べなかったりする場合は、「回収業者」や「引越し業者」に引き取ってもらうことも可能です。費用としては高くなりますが、急ぎのときは便利です。
なお、「不用品の引き取り」は同じサービス内容でも、料金は業者によって違います。
相見積もりを必ず取って、なるべくお得で納得できる業者を選びましょう。